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トラックドライバー不足を解消!具体的な解決策と成功事例

トラックドライバー不足は、企業の物流安定や事業成長を脅かす深刻な課題です。特に2024年問題による労働時間規制の強化など、外部環境の変化が状況をさらに厳しくしています。

本記事では、ドライバー不足を解消し、企業の競争力を高めるために今すぐ取るべき具体策を整理しました。
労働環境の改善・多様な人材の確保・物流業務の効率化という三位一体の取り組みと、実際に成果を上げた企業の事例もご紹介します。

目次

1.トラックドライバー不足を解消する主要施策と成功事例

トラックドライバー不足は、経済や国民生活を支える物流網の維持にとって喫緊の課題です。この深刻な状況を打開するためには、多角的な視点からの対策が不可欠です。ここでは、トラックドライバー不足を解消する主要施策について解説します。

(1)労働環境・待遇の抜本的改善

ドライバーの長時間労働を是正し、休息時間を確保することは、事業継続と従業員の健康を守る上で喫緊の課題です。単に労働時間・休日に関する法規制を遵守するだけでなく、無理のない勤務シフトや休憩取得の実効性を高める取り組みが求められます。また、時間外労働に依存しない公正な賃金体系や、ドライバーの生活と将来設計を支える福利厚生の充実が不可欠です。具体的な重点施策は以下の通りです。

労働時間・休憩時間の適正管理法定労働時間の厳守過重労働の防
勤務間インターバル制度の導入・徹底
・確実に休憩が取れる業務スケジュールの設計
賃金・評価制度の見直し・時間外労働に依存しない基本給の引き上げ
・安全運転や顧客対応など多面的な制度の導入
評価基準の透明化による納得性向上
福利厚生の充実健康診断・メンタルヘルスケアの強化
・住宅手当・家族手当・資格取得支援の提供
ドライバー向けライフプラン支援制度の導入
引用:https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/navi/cases/case_0057/

たとえば、日新運輸工業株式会社では、契約社員の積極的な正社員転換多面的な教育訓練支援人事評価による賃金改善を推進しています。これにより作業の質と定着率の向上を実現するとともに、求人力の強化にも寄与しています。こうした総合的な取組は、働きがいのある職場環境づくりの好事例といえます。

(2)採用・育成・多様な人材確保

人手不足を解消するためには、新たな担い手を積極的に採用し、戦力として育成することが不可欠です。特に若年層・女性・未経験者の活躍推進は、持続可能な人材確保の柱となります。労働条件の明確化やキャリアパスの提示、企業の魅力発信による採用力強化も重要です。

女性・若年層・未経験者の採用促進・勤務形態や職場環境の柔軟化により
多様な人材が働きやすい環境を整備
・女性ドライバーや若手層向けの
安全研修・適正評価制度の導入
・未経験者が安心して挑戦できる
OJTやメンター制度の強化
運転免許取得支援制度・大型・中型免許、けん引免許等の
取得費用を補助または貸付

免許取得中の給与補償制度の導入
生活の安定を確保
教育・研修体制の整備・入社時研修、安全運転・事故防止研修の充実
定期フォローアップ研修リスキリングの機会提供
・リーダー職や管理職候補への階層別研修
会社の魅力発信採用サイトやSNSを通じた
社員インタビュー・職場紹介
・地域イベントや学校連携による
企業説明会の積極的実施
・正社員登用実績・キャリア形成支援の
事例を活用した広報強化

トラックドライバーは若年層の就業意欲が低下していますが、キャリア形成が見える仕組みを整えることで、若年層の人材獲得が見込めます。たとえば、以下の動画の運送会社では、10代20代の社員が75%を占めています。

大型免許は21歳以上かつ運転経験が必要なため、18歳でトラックドライバーとして就職できる企業はほとんどありません。
しかし、この会社では引越し事業を併設することで、入社当初は引越し業務に従事し、社内で経験を積みながらトラックドライバーへとステップアップする道が用意されています。

(3)業務効率化・省力化の推進

デジタル技術や先進機器の導入により、積載効率の向上、最適な配送ルートの選定、集荷・配達業務の効率化を図ることが重要です。AIやIoTを活用した動態管理システムや配車システム、自動運転技術、ロボットによる積み下ろし作業などが有効な手段となります。これにより、ドライバーの負担軽減と生産性の向上を同時に実現します。具体的な重点施策は以下の通りです。

予約受付システム・配車システムの導入・配車計画の自動化により、ルートの最適化と業務時間の短縮を実現
・ドライバー・車両の稼働状況をリアルタイムで把握
荷役作業の機械化・自動化・ロボットやリフト装置による積み下ろし・仕分け作業の省力化
・荷役中の安全性向上と作業負担の軽減
共同配送・中継輸送の推進・複数企業・拠点間の共同配送で積載率向上・走行距離削減
・長距離輸送の中継ポイント活用による労働時間適正化
物流拠点の最適化(分散・集約)・地域特性に応じた拠点の分散配置・集約で輸送効率を改善
・最終拠点での小口配送の効率化
デジタル技術の活用・AIによる配送予測・需要予測の高度化
・IoTセンサーで車両・荷物・設備の状態をモニタリング
モーダルシフト等の輸送手法の見直し・トラック依存から鉄道・船舶輸送への切り替え促進
・輸送コスト削減と環境負荷低減の両立

これらの施策を組み合わせて取り入れることで、物流業務全体の効率化と省力化を推進し、ドライバー不足への根本的な対応が可能となります。

たとえば、大和ハウス工業株式会社では、工場の集中生産化に伴う長距離輸送の課題に対応するため、トラック輸送からJRコンテナ貨物輸送へのモーダルシフトを行いました。物流コストの削減とCO2排出量の低減を両立し、持続可能な輸送体制を構築しました。(参考:https://www.daiwabutsuryu.co.jp/useful/case/6

2.なぜドライバー不足が深刻化しているのか|背景と課題

トラックドライバー不足は、構造的な問題と社会環境の変化が複合的に影響し合い、年々深刻度を増しています。その背景には、労働時間、賃金、高齢化、人材確保の課題などが複雑に絡み合っています。ここでは、ドライバー不足が深刻化している主な要因と、それが物流業界全体に投げかける課題について掘り下げていきます。

(1)長時間労働と負担の大きさ

トラックドライバーの業務は、長距離運転や待機時間などにより、拘束時間が長く、労働時間が慢性的に長時間になりがちです。これにより、身体的・精神的な負担が大きく、ワークライフバランスの確保が難しい状況が、ドライバー志望者の減少や離職につながっています。

以下の動画では、現役トラックドライバーが現場目線での人材不足について言及しており、若手人材の獲得が困難なことや、法規制の厳格化以降の現場についても解説しています。

(2)他産業と比べた賃金水準

全産業平均と比較して、トラックドライバーの賃金水準が必ずしも高いとは言えない現状があります。特に若年層にとっては、長時間労働に見合う報酬が得られにくいという認識が、魅力的な職業選択肢となりにくい一因となっています。経済的なインセンティブの不足は、新規参入を阻害し、既存ドライバーの離職リスクを高めます。

トラック運送事業の男性運転者の平均賃金は令和5年時点で月額33万円程度(年間賞与を含む月換算378,800円)と、他産業と比較しても決して高水準とはいえず、前年からも減少傾向にあります。長時間労働や高い責任に見合った待遇が十分とはいえない現状が、人材の確保・定着を難しくし、深刻な人手不足の一因となっています。賃金水準の見直しは、喫緊の経営課題といえるでしょう。(参考:https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/chinginjittai2023bassui.pdf

(3)高齢化と若年層不足

トラックドライバーの平均年齢は上昇傾向にあり、高齢化が進んでいます。
一方で、若年層のドライバーへの就業選択肢としての魅力が低下しており、新規参入が少ない状況です。この年齢構成の歪みは、将来的な労働力供給の不安を増大させ、構造的な人手不足の要因となっています。特に、将来を担う若手の育成・確保は喫緊の課題です。

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001225739.pdf

トラックドライバーの平均年齢は、大型で47.5歳、中小型で45.4歳全職業平均(42.2歳)を大きく上回っています。特に高齢化が進む一方で、若年層の新規就労者が十分に確保できていない現状は、今後の持続的な物流確保に向けて大きなリスクです。若年層の参入促進と世代交代を見据えた採用・育成戦略が急務といえます。

(4)女性ドライバー参画の遅れ

物流業界全体において、女性ドライバーの比率は依然として低い状況です。
これは、長時間労働や体力が必要とされるイメージに加え、性別役割分業意識や育児・介護との両立の難しさなどが要因と考えられます。女性が働きやすい環境整備や、キャリア支援が遅れていることも、多様な人材確保を妨げる一因です。

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001225739.pdf

トラック運送業における女性ドライバーの割合はわずか2.5%にとどまり、全産業の43.2%と比べて極めて低水準です。業界全体で女性の参画促進が遅れ、多様な人材の活用が進んでいない現状は、労働力不足の深刻化を加速させる要因の一つです。女性が働きやすい職場づくりや採用施策の強化が不可欠です。

(5)荷役作業の物理的負担

トラックの積荷・荷下ろし作業は、手作業によるものや、重い荷物を扱う場合が多く、ドライバーにとって大きな身体的負担となります。特に高齢のドライバーにとっては、この負担が継続的な就労を困難にさせる要因となり得ます。効率的な荷役設備の導入や作業方法の改善は、労働負担軽減に直結します。

引用:https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/am/yusou/yu-conference/20220224/trucking-conference04.pdf

令和3年度における青森県トラック協会の会員事業者を対象とする調査によると、発荷主先での荷役作業では、全体の56%が手荷役(パラ積み・パレット崩し等)と回答しており、ドライバーが物理的負担の大きい作業に従事している実態が浮き彫りになっています。こうした負担は身体的リスクや離職の一因ともなり、機械化・自動化による省力化の取組みが急務です。

(6)複雑化する配送ニーズと宅配個数増加

近年、Eコマース市場の拡大に伴い、小口・多頻度配送や時間指定配送の需要が増加しています。
これにより、個々の配送にかかる時間や労力が増え、ドライバー一人あたりの業務負担が増大しています。特に都市部における再配達の増加は、非効率な運行を招き、ドライバーの長時間労働を助長する大きな要因となっています。

引用:https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001-1.pdf

物販系BtoC-EC市場は2023年に約14.7兆円規模に達し、EC化率も9.38%まで上昇しています。この急速な市場拡大に伴い、宅配個数は増加の一途をたどり、配送ルートの複雑化や多頻度・少量配送の需要が高まっています。効率的な配送体制の再構築が、企業にとって避けられない課題となっています。

(7)運転免許制度の影響

現行の運転免許制度において、普通免許で運転できるトラックの最大積載量が制限されていることなどが、若年層のドライバー志望者が大型トラックなどの運転に必要な免許を取得する際のハードルとなっています。費用や取得期間の負担が、新規参入を妨げる要因の一つと考えられます。

引用:https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/poster.pdf

平成19年以降の免許制度改正により、普通免許で運転できる車両の範囲が大幅に縮小され、平成29年以降は「準中型」免許が新設されました。これにより若年層が中型・大型車両に従事するまでのハードルが高くなり、人材確保の難しさが増しています。企業としては免許取得支援や育成施策の強化が不可欠です。

3.2024年問題がドライバー不足に与える影響

帝国データバンクの調査によると、2024年度(11か月累計)の道路貨物運送業の倒産件数は328件にのぼり、そのうち38件が人手不足による倒産でした。その他の要因は主に物価高であり、特に軽油価格の上昇が経営を圧迫しています。

引用:帝国データバンク

2025年現在、トラックドライバー不足はますます深刻になっており、物価上昇の影響も重なって物流業界全体に大きな課題をもたらしています。ここでは、2024年問題がドライバー不足に与える影響を解説します。

(1)2024年問題の概要と法改正の内容

2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限されることなどを中心とした、働き方改革関連法に基づく改正労働基準法が適用されます。これは、長時間労働の是正とドライバーの健康確保を目的としていますが、物流業界全体に大きな影響を与えると予測されています。

(2)労働時間規制強化による影響

2024年問題による上限規制により、ドライバー一人あたりの走行距離や配送件数が制限される可能性があります。
これにより、これまで長時間労働で賄っていた輸送能力の維持が難しくなり、輸送コストの上昇や配送リードタイムの長期化を招く懸念があります。特に、長距離輸送深夜・早朝配送への影響が大きいと見られます。
以下の記事では長距離輸送の2日運行について解説しています。

(3)物流への潜在的なインパクト

従来の運送業界では、人手不足を既存ドライバーの長時間労働で補う体制が一般的でした。しかし、それにより、労働負担が過剰になっているという問題もあります。
実際に、道路貨物運送業は脳・心臓疾患に関する労災の請求件数・支給決定件数ともに全業種中で最多となっており、トラックドライバーの過重労働が健康被害の一因となっていると指摘されています。

引用:https://www.unyu.co.jp/news/detail/id=591

こうした背景から2024年問題による上限規制が設けられました。
結果として、輸送能力の低下、配送頻度の減少、物流コストの増加などが避けられない状況となり、商品の価格転嫁や、地域によってはサービスレベルの維持が困難になるなど、国民生活や経済活動全体への影響が懸念されています。こうした課題の一端は、以下の報道動画からも読み取ることができます。

2024年問題(働き方改革関連法)が施行されて1年が経過した現場の様子を取材したもので、ある運送会社の経営者は「運送会社は受け身にならざるを得ず、改善ポイントは荷主側の対応にある」と指摘しています。

これは、ドライバー不足や労働環境の問題が、業界内だけでは解決しきれない構造的な課題を抱えていることを示しています。

4.トラックドライバー不足への解決策

トラックドライバー不足の課題は多岐にわたるものの、抜本的な労働環境の改善が欠かせません。
ここでは、業務効率化に適した方法から人材確保に有効な方法などの、幅広いトラックドライバー不足の解決策を紹介します。

(1)システムの活用

運行管理システムや労務管理システムなどの導入により、業務効率化による労働環境の改善労働時間の適正化につながります。たとえば、以下のような効果が期待できます。

業務効率化・運行管理や労務管理を自動化
・正確な配車計画の作成で無駄な走行を削減
労務管理の適正化・労働時間や休憩時間を自動記録
・労働時間超過による罰則リスクを低減
安全性向上・安全運転をサポート
・事故リスクを低減
コスト削減・燃費管理や車両メンテナンスの適正化
業務の可視化・管理者が状況を即座に把握できる
・トラブルが発生しても迅速に対応可能
顧客満足度の向上荷主や顧客に対して配送状況を迅速に共有できる
・納期遅延のリスクを減らし、クレーム対応もスムーズになる

運行管理システムを活用すれば、リアルタイムでの車両位置管理運行状況の把握ができ、無駄な走行や待機時間を減らすことが可能です。

さらに労働時間休憩時間を自動記録し、法定上限を超えないよう管理することで、コンプライアンスリスクを低減できます。

ドライバー不足の解決策としてシステムを導入する際には、初期投資コストが課題となることもありますが、長期的なコスト削減や業務効率化を考慮すれば十分なメリットが得られます。

なお、複合的な機能性を求める場合には運送業向け基幹システムが適しています。カスタマイズ性に優れる基幹システムであれば、将来的な拡張性も見据えたシステムの導入が可能となります。

(2)モーダルシフト

モーダルシフトとは、長距離輸送をトラックから鉄道や船舶に切り替えることで、輸送効率を向上させる取り組みです。トラックが担当する区間を短縮し、ドライバー一人あたりの負担を減らすことができます。

コンテナパレット単位で貨物をまとめ、主要区間を鉄道やフェリーで輸送し、最終区間のみをトラックで配送する方式が一般的です。

燃料費高速料金の削減効果も期待でき、コスト面でもメリットがあります。
さらに環境負荷の軽減という観点でもモーダルシフトは評価されており、企業の社会的責任を果たす手段としても有効です。

モーダルシフトの導入には、鉄道や港湾設備との連携強化貨物積み替え作業の効率化が重要となります。

(3)共同配送

共同配送とは、複数の企業がそれぞれの荷物を1台のトラックにまとめて積載・配送する仕組みです。効率的な運行を実現することで、ドライバーの労働時間削減燃料コストの削減など、さまざまなメリットがあります。

同じエリアに向かう荷物を一括して運ぶことで、無駄な運行を減らし、積載率の向上も実現します。これは、改善基準告示(運転時間・休憩などに関するルール)への対応にもつながり、特に長距離輸送において有効とされています。

企業同士が物流ネットワークを共有し、共通の目標に向かって取り組むことで、トラックドライバー不足という業界全体の課題に対し、持続可能な解決策を構築していくことが可能です。

(4)中継輸送

中継輸送とは、一定の中継地点でトラックドライバーを交代し、別のドライバーが次の区間を担当する方式です。これにより、トラックドライバー一人あたりの運転時間を削減し、労働環境の改善につながります。

結果として、長距離運転による過労や事故リスクを減らすことができ、安全管理の面でも有効です。

中継輸送にはドライバー交代のタイミングや効率的な運行計画が求められ、物流管理の高度化が必要となりますが、近年ではコネクトパーキングといわれる中継輸送地が増設されており、これまでよりも参入障壁が低くなっています。

(5)物流拠点の最適化

物流拠点を適切に配置することで、ドライバーの負担を軽減しながら配送効率を向上させることができます。

たとえば拠点間を中継輸送でつなぎ、ドライバー交代を効率よく行うことで、働き方改革関連法への対応も可能となります。物流拠点の最適化に関する詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。

拠点間の連携が強化されることで、自然災害などの突発的なトラブルにも迅速に対応でき、より強固な物流体制を築くことが可能です。

(6)荷役作業の自動化・効率化

トラックドライバーの業務には、運転だけでなく荷物の積み下ろし作業等も含まれており、これがドライバー不足を助長している要因の一つとなっています。
荷役作業を自動化・効率化することで、ドライバーの肉体的負担を軽減し、人件費の削減労働環境の改善につながります。

自動化の具体例として、フォークリフトの自動運転システムロボットアームなどの活用があります。その他にも、マテハン(マテリアルハンドリング)の活用も効率化に有効です。

荷役作業の自動化・効率化には初期投資が必要ですが、作業品質の向上や安全性の確保なども期待でき、人材不足解消以外の複合的な効果も見込めます。

(7)採用ブランディングの強化

採用ブランディングとは、企業が求職者に対して、入社後の研修体制や働く環境、フォローアップ制度などの魅力を積極的に発信する取り組みを指します。具体的には、以下のような手法が効果的です。

  • 入社後の研修制度やキャリア支援の紹介
  • 新人フォローアップの具体的な取り組みの可視化
  • 実際に働くドライバーや社長へのインタビュー動画の公開

これらを通じて、応募者は企業の一次情報を自ら確認でき、社風働く人の雰囲気に触れることで親しみや安心感を持つことができます。

(8)給与体系などの見直し

トラックドライバーの確保・定着を図るうえで、給与が労働時間や業務内容に見合っていないと感じられる限り、人材の流出や新規採用の困難さは解消されません。そのため、インセンティブ制度の導入などの正当に評価される仕組みを作ることが重要です。

たとえば、安全運転や配送効率などの指標を評価基準に組み込み、報奨金や表彰制度などを設けることで、ドライバーのモチベーション向上につながります。

また、長距離運転深夜勤務への手当を手厚くすることにより、厳しい労働条件に対する正当な対価を明確に示すこともできます。

5.まとめ

トラックドライバー不足と2024年問題は、物流業界全体に深刻な影響を及ぼし、企業経営に多大なリスクをもたらしています。

これらの問題に対応するためには、労働環境の改善や業務効率化、人材確保に向けた取り組みが欠かせません。

ドライバー不足という厳しい現実に直面しながらも、柔軟な発想と革新的な手法を取り入れることで、安定した物流基盤を確立していきましょう。

監修

企業間物流に詳しい!運行管理のプロ監修「運行管理ナビ」編集部です。

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