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混載便は企業にとって輸送効率とコスト削減を両立する有力な選択肢となっています。
本記事では、混載便の特徴やメリット・デメリットについて、チャーター便や路線便と比較しながらわかりやすく解説します。
ここでは、混載便の基本的な仕組みと、類似する輸送方式との違いを解説します。
混載便(こんさいびん)は、複数荷主の荷物をトラック1台に効率よく積み合わせて配送する輸送サービスです。
この方式では、荷物をエリアごとに集約し、中継拠点で仕分けを行った後、各配送拠点を経由して最終目的地へと届けられます。
混載便のメリットは主に輸送コストの最適化や環境負荷の軽減が挙げられますが、柔軟な物流ネットワークの構築にも適した手法であり、以下のような特徴があります。
コストをシェアする共同輸送方式 | ・1社単独ではなく、複数の企業が輸送コストを分担する ・小ロット輸送にも対応しやすい |
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配送ルートの最適化が可能 | ・荷物の配送先や積載状況に応じたルート設定が可能 ・幹線輸送+ラストマイル配送の組み合わせで、広範囲なエリアにも対応 |
物流ネットワークの柔軟性 | ・全国各地の小口貨物でも安定的に供給しやすい |
荷物の取り扱いに一定の制限がある | ・混載便では、サイズ・重量・形状の制限がある場合が多い ・割れ物や温度管理が必要な貨物などは、個別の取り扱い基準に従う必要がある |
ほかにも必要な荷物を必要な分だけ輸送できる「ジャストインタイム」とも相性がよく、中小企業にとっては在庫管理がしやすいといえるでしょう。
混載便の需要が高まる背景として、小口多頻度化による積載率の低下が挙げられ、国土交通省の調査によると、令和3年時点で貨物自動車の積載率は40%以下の低水準を推移しています。
混載便は、その仕組みから小ロット配送と好相性であり、輸送コストを抑えながら効率的な配送を実現できる物流方式です。
また、柔軟な積載とルート最適化により、小口多頻度の配送ニーズにも対応しやすく、在庫負担の軽減やジャストインタイム配送の実現にも貢献します。
チャーター便とは、トラックを1台まるごと専有して輸送できる方法です。
チャーター便では、専用のトラックとドライバーが荷主の貨物のみを輸送するため、配送の自由度が高いという特徴があります。以下では、混載便とチャーター便の違いを比較表にまとめています。
混載便 | チャーター便 | 路線便 | |
---|---|---|---|
輸送形態 | 複数の荷主の貨物を1台のトラックに積み合わせて輸送 | 1社専用でトラックを貸し切り輸送 | 幹線輸送を中心に、拠点間を定期便で運行し、集配は路線会社が担当 |
コスト | 荷物の量に応じた料金体系で、チャーター便よりも低コスト | トラック1台を貸し切るため、高コスト | 混載方式のため比較的低コストだが、距離や荷扱いで変動 |
配送効率 | 複数の配送先に対応できるため、長距離配送でも効率的 | ケースバイケース (大量輸送時には効率的) | 定期運行のため安定性が高いが、融通は利きにくい |
積み替え作業 | 中継拠点で仕分け・積み替えを行うため、輸送中の取り扱い回数が多い | 積み替え不要のため、荷物の破損リスクが低い | 幹線輸送+集配で積み替えが発生する場合が多い |
配送スピード | 中継拠点を経由するため、チャーター便より時間がかかる場合がある | 直送が可能なため、最短時間での配送が可能 | 定期便スケジュールに依存し、即日性は低い |
対応できる貨物 | 小口貨物向けで、サイズ・重量・形状に制限がある | 大型貨物や特殊貨物も対応可能 | 主に小口・中口貨物向け、大型や特殊貨物には不向き |
配送時間の指定 | 荷主の希望に沿えない場合がある | 細かい時間指定が可能 | 時間指定は限定的 |
また、チャーター便では1社専用契約ということで荷物の品質管理がしやすく、精密機器や高額商品の輸送に適しています。
以下では、これらの違いを動画でご確認いただけます。
混載便と宅配便は、どちらも複数の荷主の荷物をまとめて輸送する点では似ていますが、サービス内容や取り扱う荷物の特性に大きな違いがあります。
区分 | 混載便 | 宅配便 |
---|---|---|
主な利用者 | 企業(BtoB) | 個人・企業(BtoC, BtoB) |
荷物のサイズ | 比較的大きい荷物(パレット単位、大型貨物など) | 比較的小さい荷物(段ボール箱など、サイズ規格がある) |
配送の柔軟性 | 時間指定が困難(到着時間が不確定) | 時間指定が可能(日時を指定して配送できる) |
主な目的 | コスト削減と積載効率の向上 | 利便性と迅速な配送 |
混載便は、主に企業間の取引(BtoB)で利用され、複数の荷主のパレットや大型貨物を1台のトラックに積んで運びます。トラックの積載率を上げることでコストを抑えることが目的のため、時間指定は難しい場合が多いです。
一方、宅配便は、個人や企業が利用する小口配送に特化したサービスです。荷物のサイズが規格化されており、日時指定が可能なのが大きな特徴です。顧客への迅速な配送や利便性が重視されるため、混載便よりも料金が割高になる傾向があります。
このように、混載便と宅配便は、それぞれ異なるニーズに対応しています。自社の荷物の特性や配送の緊急性に応じて、最適なサービスを選ぶことが重要です。
混載便のメリットには、コストの抑制や積載率の向上などが挙げられます。
混載便で複数荷主の荷物を1台のトラックで効率的に運ぶことで、燃料費や人件費などの輸送コストを下げられます。
また、荷物のサイズ・重量・配送距離に応じた料金体系となるため、小口配送時でも積載率を維持した効率的な配送にできる場合があります。
ほかにも低頻度の出荷にも対応しているので、中小企業やECサイトを営む個人事業主などの幅広い業種のコスト削減に貢献しています。
混載便では、異なる荷主の荷物を1台のトラックにまとめて輸送することで、空きスペースを最小限に抑え、積載率を向上させることができます。
具体的には、次のような効果が期待できます。
トラック台数の削減 | ・1台あたりの積載効率が向上 ・必要なトラック台数が削減 ・ドライバー不足の緩和 |
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環境負荷の軽減 | ・ESG経営への貢献 ・CO₂排出量の削減 ・燃料消費量の削減 |
物流コストの削減 | ・輸送コストの抑制 ・燃費効率の向上 |
近年では、AI・IoTによる積載量の最適化が進んだこともあって、さらに車両スペースの最大化と配送効率が高まり、無駄な回送の削減が実現されつつあります。
このように、混載便の活用による積載効率の向上は、ドライバー不足の緩和、コスト削減、環境負荷の低減といった物流業界の主要な課題の解決に寄与します。
混載便による物流管理では、送り状システム(紙の送り状や電子送り状)が活用され、配送の透明性を確保し、信頼性の高い取引を実現します。
とくに近年では、ヒューマンエラーの防止やデータ連携の迅速化を求める企業が増えてきたことで、紙による送り状が減少傾向になってきました。
運送会社が発行する送り状には、配送日時・発送者・受取人・荷物の詳細情報などが記載されており、納入先へ事前に共有することで、スムーズな荷受けが可能になり、物流計画の最適化にも貢献します。
送り状が果たす役割は、以下のとおりです。
配送状況の可視化 | 荷主・受取人ともに荷物の動向をリアルタイムで把握 |
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納品証明書としての活用 | 企業間取引(BtoB)では、請求書との照合にも使用 |
取引履歴の記録 | 過去の取引情報を管理し、監査や顧客対応時にも活用可能 |
送り状システムは物流の円滑な運営を支える基盤として、配送プロセスの管理から取引記録の保管まで、幅広い用途で活用されています。
また、EDIを活用することで、送り状(インボイス)のデータを取引先に直接送信できます。
以下の動画でも、EDIについてご確認いただけます。
混載便のデメリットは、時間指定が困難になることや荷物の大きさや重量の制限などです。
混載便では、複数の荷主の荷物をまとめて輸送するため、配送順序が変動しやすく、正確な到着時刻の予測が難しくなります。これは高い積載効率が可能な一方で、複数の荷主の要望を考慮するため、必ずしも最短ルートが組めないというのが現状です。
そのため、時間指定のニーズがある場合は、利用を検討している運送業者に具体的な対応可能範囲を確認するようにしましょう。
混載便では、企業ごとに荷物の大きさと重量に上限が設けられています。これは、1台のトラックに複数荷主の荷物を効率よく積み合わせるための制限です。上限の内容は企業によって異なることが多いため、依頼前に確認しましょう。
ほかにも冷凍品や精密機械などの特殊貨物は断られる可能性があります。
そのため、基準を超える荷物を輸送する場合は、チャーター便など適した輸送手段を検討することが重要です。
混載便の配送プロセスでは、積み替え作業が発生するため、荷物の破損リスクが伴います。中継拠点を経由する際に積み替え作業が行われ、その過程で以下のような荷物が衝撃や圧迫を受ける可能性があるためです。
そのため、繊細な荷物で混載便を利用する際は、破損リスクを考慮し、緩衝材を用いた厳重な梱包などの対処を行うことが重要です。
ここでは、チャーター便のメリットとデメリットを解説します。
チャーター便のメリットには、配送の柔軟性と確実性などがあります。
発送元から配送先まで直接輸送できるため、中継地点での積み替えが不要となるため、時間指定の自由度が高く、緊急性の高い配送にも対応可能です。
時間指定の自由度が高い | 細かい時間帯の指定や深夜・早朝配送も可能 |
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積み替え不要で破損リスクを低減 | 荷物の損傷・汚損のリスクを抑えられる |
特殊貨物の輸送が可能 | 形状や重量に制限がある荷物にも対応 |
ほかにも他社の荷物と混載しないため、プライバシーの確保につながるといったメリットもあります。
1社専用での輸送となるため、荷物の特性に応じて積載方法や固定方法を工夫できる場合があります。
積み替え作業が発生しないため、荷物の破損や汚損のリスクも最小限に抑えられるでしょう。
チャーター便はトラック1台をまるごと借り上げる形態のため、荷台の使用率に関係なく定額料金が発生します。よって、以下のようなコスト面に関するデメリットが生じます。
コストが割高になりやすい | 積載率が低い場合は1個あたりの輸送コストが高くなる |
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長距離輸送のコスト増 | 往復料金が発生するケースが多く、短距離輸送よりコスト負担が大きくなる |
小口配送や少量の荷物を輸送する場合、余ったスペースができても料金は変わらず、結果として単位あたりの輸送コストが著しく高くなるでしょう。さらに予約の集中しやすい繁忙期は、希望通りの手配ができないこともあります。
チャーター便の利用を検討する際は、荷物量と配送条件を詳細に確認し、コストパフォーマンスについて慎重に判断することが重要です。
路線便のメリットとデメリットを解説します。
路線便は、全国に配送可能な広範なネットワークを持ち、定時配送が可能な計画的な運行スケジュールを組めることが特長です。
大手運送会社であれば、日本全国に物流センターや配送拠点を戦略的に配置しており、全国各地へのスムーズな配送を実現しています。
全国配送が可能 | 広範なネットワークがあれば、全国各地への安定した輸送が可能 |
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計画的な運行スケジュール | 定期的な配送を必要とする企業の物流管理に適している |
明確な料金体系 | 重量と距離に基づく料金計算方式で、物流コストの予測・管理がしやすい |
ほかにも、荷物追跡システムが導入されていることがほとんどで、納期の管理がしやすいといったメリットもあります。路線便は、安定した輸送網と明確な料金体系を活用したい企業にとって、計画的な物流管理を実現できる手段となるでしょう。
路線便を利用する際は、スケジュール調整や荷物の特性を考慮し、適した輸送手段かどうかを判断することが重要です。
緊急配送に対応しにくい | 定期運行のため、急な配送依頼の対応が困難 |
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スケジュール変更が困難 | 個別の配送調整が原則できない |
破損リスクがある | 中継拠点での積み替え作業により、荷物が衝撃を受ける可能性がある |
ほかにも、中継地点の積み替え作業があることからリードタイムがかかるため、チャーター便よりも到着時間が長くなりがちです。たとえば、配送日を変更したい場合でも、すでに確定した運行スケジュールを変更できないため、荷物の再調整が必要になることがあります。
スケジュールの変更や、特定の配送先へ優先的に届けるといった対応が難しい点に注意が必要です。
ここまで、混載便の概要やメリット・デメリット、チャーター便や路線便との違いについて解説しました。
混載便にはコスト削減や積載率の向上など、物流の課題を改善してくれるメリットも多くありますが、時間指定が難しいなどのデメリットも存在します。
自社の荷物量や配送条件にあわせて、チャーター便や路線便とも比較した上で輸送サービスを選択しましょう。