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物流の運行管理システムは?比較ポイント、無料を含むおすすめ15選

運送業向け勤怠管理システム15選|アプリ・打刻方法等無料比較表付き

運送業に特化した勤怠管理システムは、法令遵守、コスト削減、生産性向上を同時に実現でき、残業代未払いリスクの軽減やドライバーの負担軽減といった効果が報告されています。

本記事では、運送業における勤怠管理の現状と課題を整理したうえで、システム導入のメリットや必要な機能、選び方のポイント、そして導入成功事例までを網羅的に解説します。

目次

1.運送業向け勤怠管理システム15選

(1)トータル物流基幹システムAIR

引用:五十鈴株式会社

AIRは、単なる勤怠管理システムにとどまらず、運送業における業務全体の効率化と法令遵守を強力にサポートします。その主な機能は以下の通りです。

日報入力機能ドライバーが入力した実績データが自動で反映され、管理者はチェックするだけで日報登録が完了
動静登録機能ドライバーはスマートフォンやタブレットからリアルタイムで配送の進捗状況を簡単に記録
配車計画機能重量物輸送に特化した独自自動配車ロジックを搭載。
最大積載量の実現を支援
待機・附帯登録機能待機時間や附帯作業の時間をボタン操作で簡単に登録

ドライバーの動静情報とリアルタイムで連携し、労働時間を常に監視し、規定時間を超過する可能性がある場合は管理者にアラートが発令され、配車計画の変更を促すことで、過重労働の防止と法令遵守を徹底します。

さらに日々蓄積されるデータを集計・分析し、レポートを簡単に生成できます。これにより、業務のボトルネックの特定や、適正な請求、さらには経営判断に繋がる正確なデータ把握が可能になります。

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主要機能受注、配送計画の立案、運転日報の管理、請求書の管理、他のシステムとの連携、ドライバーアプリ機能、売上仕入れ管理など
所在地東京都千代田区丸の内2−2−1岸本ビル10階
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます

(2)楽楽勤怠

引用:https://www.rakurakukintai.jp/index_abt-a.php

クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」は、運送業特有の複雑な勤務形態や法令遵守にも柔軟に対応し、業務効率化とコスト削減を同時に実現します。

自動アラート機能で誤りを通知し、ミスのない勤怠データの収集を支援します。休暇取得状況も同時に管理できるため、勤怠データの統合作業が不要になります。

さらに自社のルールや法律に準拠して残業時間を自動集計し、深夜残業などの割増時間も考慮して集計できるため、法対応もスムーズです。

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主要機能勤務表の入力漏れやミス防止、複雑な残業・勤務時間計算の自動化、有給休暇・残業時間のリアルタイム把握
所在地東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿7階
価格・料金プラン月額30,000円~

(3)ジョブカン勤怠管理

引用:https://jobcan.ne.jp/

ジョブカン勤怠管理は、出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理、工数管理という4つの機能をモジュール形式で提供し、必要な機能だけを選んで利用できる柔軟性が特徴です。

操作性はシンプルながら、ICカード、GPS、Slack など多様な打刻方法に対応し、リアルタイム管理やアラート機能、データの自動集計など実務性も高いことも魅力です。

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主要機能出勤管理(打刻/リアルタイム勤怠/アラート)シフト管理休暇・申請管理工数管理/プロジェクト管理
所在地東京都渋谷区代々木2-2-1 小田急サザンタワー8階(株式会社Donuts 本社)
価格・料金プラン無料プランあり(機能制限あり)有料プランは1ユーザーあたり:・1機能 200円/月・2機能 300円/月・3機能 400円/月・4機能 500円/月※最低月額 2,000円(税抜)

(4)freee人事労務

引用:https://www.freee.co.jp/hr/fr-nv52bzccj/?mrasn=1485578.1860212.qPDJTwSF

freee人事労務は、勤怠管理や給与計算、WEB給与明細の作成、従業員情報の管理、入社手続き、年末調整など、ヒトに関わるバックオフィス業務を一気通貫で効率化できます。

これにより、転記作業や紙作業といったヒューマンエラーの要因を削減し、業務の正確性と生産性を向上させることが可能です。

勤怠管理では、さまざまな勤務形態(固定時間制、フレックス、変形労働制など)に対応し、打刻の柔軟性(モバイル、Web、打刻機、Slack連携など)やアラート機能によって、労働基準法遵守のサポートも充実しています。

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主要機能勤怠管理(固定・フレックスタイム制、打刻機能、アラートなど)・給与計算(勤怠・税金・保険料を自動計算)・WEB給与明細など
所在地freee株式会社 本社:東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー21階
価格・料金プラン複数プランあり(税抜):• ミニマム:月2,600円/年24,000円(5名まで)• スターター:月3,900円/年36,000円• スタンダード:月5,200円/年48,000円• アドバンス:月7,150円/年66,000円いずれも6名目以降は追加料金(400円~1,100円/月)が発生。
※最低利用料金はプランにより異なる

(5)KING OF TIME

引用:https://www.kingoftime.jp/

KING OF TIMEはPCやモバイル、ICカード、顔認証、指紋・静脈認証、GPS、チャット打刻など、多様な働き方に合わせた打刻方法に対応しています。

さらに、リアルタイムで勤怠状況を把握できるため、不正打刻の防止や迅速な対応、労働時間の可視化などが可能です。

他サービスとの連携力も充実しており、freee人事労務やマネーフォワード クラウド給与などとデータ連携でき、給与計算やシフト管理、データ分析との統合が容易です。

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主要機能勤怠管理(リアルタイム打刻、アラート、残業管理)・シフト・休暇管理・人事・給与計算管理・データ分析/システムログ・多様な打刻方式(PC/モバイル/ICカード/顔・生体認証/GPS/チャットなど)
所在地東京都港区元赤坂1-6-6(株式会社ヒューマンテクノロジーズ 本社)
価格・料金プラン初期費用:無料(ゼロ)・月額料金:1人あたり300円~(税抜)(給与計算等すべての機能を含む)

(6)マネーフォワード クラウド勤怠

引用:https://biz.moneyforward.com/attendance/

マネーフォワード クラウド勤怠は、勤怠のリアルタイム集計・申請・承認・アラート機能に加え、シフト制度やフレックス・変形労働制など多様な就業形態に対応しています。

自動アラート機能により未打刻や未承認を検知し、管理者の負担を軽減し、有給の自動付与や残業時間管理の自動化によって人的ミスを削減し、給与計算の精度も向上します。

さらに、経理・給与・マイナンバーなどのバックオフィス系サービスと連携することが可能で、勤怠管理から給与計算、人事労務業務まで一元的に効率化できる点も特徴です。

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主要機能リアルタイム打刻・勤怠集計・未打刻・未承認の自動アラート・休暇、有給の自動付与・シフト管理(柔軟な勤務形態対応)
所在地東京都港区芝浦3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F (株式会社マネーフォワード 本社)
価格・料金プラン税抜価格・初期費用:0円(全プラン共通)【法人向け】・ひとり法人プラン(1名):年払い2,480円/月、月払い3,980円/月・スモールビジネスプラン(~3名):年払い4,480円/月、月払い5,980円/月・ビジネスプラン(4~50名):年払い6,480円/月、月払い7,980円/月(6名以上は300円/名の従量課金)・51名以上:要問い合わせ

(7)タッチオンタイム

引用:https://www.kintaisystem.com/

タッチオンタイムは、PC・モバイル・顔認証・指静脈・ICカード認証・Windowsログオン連動など、多様な勤務スタイルに対応しています。

リアルタイム集計やシフト管理、アラート・通知機能、申請・承認などのワークフロー、働き方改革関連法への対応など、業務効率と法令遵守を両立する機能が揃っています。

また、導入前から導入後までの手厚いサポート体制も大きな魅力で、電話応答率や理解度・対応満足度は96〜97%という高評価を受けており、導入企業の継続率は99.7%にのぼるという安定感があります。

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主要機能多様な打刻方法(PC/モバイル/顔・指静脈認証/ICカード/Windowsログオン)リアルタイム勤怠・残業集計スケジュール
所在地 東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場ビル22階
価格・料金プラン初期費用:0円・月額費用:300円/人(税別)/全機能対応・利用人数に応じた従量課金制

(8)おまかせ勤怠

引用:https://www.ctc-g.co.jp/solutions/omakase_kintai/

おまかせ勤怠は、出退勤情報、シフト管理、申請ワークフロー、勤務状況などの勤怠データをクラウド上で一括管理し、休暇や残業申請もシステム上で完結できるのが特徴です。

契約前には、各企業の就業ルールに応じたトライアル環境が提供され、導入後も法改正や新機能への対応がすべて無償バージョンアップで行われるため、システム運用の負担軽減につながります。

クラウド型のため、遠隔拠点の勤怠状況もリアルタイムで把握可能で、シフト勤務制など多様な就業形態に柔軟対応し、生体認証やモバイル端末を活用した打刻も可能な高機能設計です。

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主要機能出退勤管理(リアルタイム集計)・シフト・フレックス・多様な勤務形態対応・申請ワークフロー(休暇・残業申請など)
所在地伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 本社:〒105-6950 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー
価格・料金プラン月額利用料:1ユーザーあたり300円~ (税別)・初期費用:不要(クラウド型)・トライアルも提供(要確認)

(9)ジンジャー勤怠

引用:https://hcm-jinjer.com/kintai/

ジンジャー勤怠はPC、スマートフォン、タブレット、ICカード、生体認証、GPS、チャットツールなどから打刻でき、直行・直帰やテレワークといった多様な働き方にも柔軟に対応できます。

従業員画面では打刻・申請・残業申請・有給申請・打刻修正・残日数確認などが簡単にでき、操作に慣れていないユーザーにもやさしい設計です。

さらに、勤怠の自動集計(勤怠実績、有休残、残業時間など100種類以上の集計項目)、シフト管理、アラート通知(未打刻、残業超過等)、ワークフロー機能、法改正への自動対応など、管理者側にも機能も充実しています。

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主要機能多様な打刻方式(PC、スマホ、タブレット、ICカード、生体認証、GPS、チャット)・リアルタイム集計(残業時間、有給残数など100以上の集計項目)・シフト管理・柔軟な勤務形態対応
所在地東京都新宿区西新宿6-11-3 WeWork Dタワー西新宿(17・18階)(jinjer株式会社 本社)
価格・料金プラン・月額料金:1ユーザーあたり 300円〜(従量課金制)・オプション:シングルサインオン等は +100円〜/月/人

(10)キンタイミライ(バイバイタイムカード)

引用:https://kintaimirai.jp/

キンタイミライの打刻方法は多様で、iPad・QRコード・ICカード・指静脈認証など、導入現場に応じて柔軟に選択可能です。たとえば、iPadにカードをかざすだけで簡単に打刻できる「iPad打刻」など、利便性にも工夫が施されています。

シフト管理・残業申請・ワークフロー(申請・承認)・36協定や働き方改革対応など、企業固有の就業ルールに応じた高度なカスタマイズ対応を可能にし、専任のコンサルタントが導入から運用支援まで伴走します。

さらにコンサル支援により、複雑な就業規則やオリジナルの運用ルールを持つ企業でも導入しやすい点が強みです。

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主要機能多彩な打刻方式(iPad、QRコード、ICカード、指静脈認証など)・リアルタイム勤怠集計、残業・申請・シフト管理
所在地愛知県名古屋市熱田区伝馬1-4-25(ネオレックス本社)
価格・料金プラン・初期費用:必要(カスタマイズにより変動)
・月額費用:従業員規模や仕様により変動

(11)キンコン

引用:https://www.kincone.com/

キンコンは、交通系ICカードをタッチするだけで勤怠打刻と交通費の自動読み取りができるため、勤怠管理と経理業務の工数を大幅に削減できます。

操作性の高さも特長で、誰でも使いやすい直感的なUI設計に加え、SlackやChatwork、LINE WORKSなどのチャットツールや kintone、Google カレンダー、給与システムとも連携が可能で、柔軟なワークフロー構築を支援します。

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主要機能・勤怠打刻(交通系ICカード、アプリ、Web、チャットツールから)・交通費精算の自動読み取り・アラート機能(打刻忘れ・残業超過など)
所在地東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル14F(株式会社ソウルウェア 本社)
価格・料金プラン・初期費用:0円(税込/無料)・月額料金:1ユーザーあたり 約220円(税込)・最低利用人数:5名〜

(12)勤怠管理システムAKASHI

引用:https://ak4.jp/

勤怠管理システムAKASHIは、PCやスマートフォンからの打刻、シフト管理、工数管理、年休・36協定設定など、多彩な機能が利用でき、複雑な就業ルールや法改正への対応も柔軟にこなします。

Slack連携によりチャット経由での打刻やテレワーク設定が可能となるなど、業務効率を高める工夫もなされており、週に一度の頻度で機能改善が行われるなど、常に進化を続けている点も魅力です。

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主要機能多様な打刻(PC/スマホ/ICカード/Webアプリ等)・就業規則/労使協定/36協定設定・変形労働制対応
所在地東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ ウエスト23F(ソニービズネットワークス株式会社 本社)
価格・料金プラン・初期費用:0円・月額プラン(税抜/人):└ タイムレコーダー:200円(打刻・基本管理)└ スタンダード:300円(申請・承認機能あり)└ プレミアム:400円

(13)勤次郎

引用:https://www.kinjiro-e.com/

勤次郎は、豊富な打刻方法や業種別テンプレート、ダッシュボードのカスタマイズ性、法改正への自動対応などがパッケージ化されており、ノンカスタマイズで導入できる点が大きな強みです。

一方で、よりシンプルでリーズナブルなスターターパッケージとして提供される「勤次郎 Smart」は、月額200〜250円程度で打刻・シフト・有給管理などの基本機能を利用でき、導入初期の負担を抑えたい企業に人気です。

また、各企業の複雑な就業ルールにも対応できるよう、カスタマイズ性の高い「Enterprise」版も用意されており、成長や多様な勤務形態に応じた柔軟な運用が可能です。

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主要機能多様な打刻方式(PC/スマホ/ICカード/指静脈など)・シフト管理、残業・有給管理・申請・承認ワークフロー・法改正・36協定対応
所在地東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル南18階(勤次郎株式会社 本社)
価格・料金プラン・勤次郎 Smart:初期費用0円、月額約200〜250円/ユーザー
・Universal 勤次郎 / Enterprise:初期費用および月額料金はお問い合わせによる個別見積もり

(14)TeamSpirit(旧チムスピ)

引用:https://www.teamspirit.com/

TeamSpirit(旧チムスピ)は、TeamSpirit株式会社が提供するクラウド型バックオフィス統合プラットフォームで、勤怠管理や工数管理、経費精算、電子承認などを一つのUIで使えるSaaS型ERP前段サービスです。

勤怠・工数・経費などのデータを「ワークログ」として可視化し、人的資本経営や組織改善への活用を促進します。

中堅〜大規模企業向けには「TeamSpirit EX」、小規模〜中堅企業向けには「TeamSpirit」が提供されており、企業規模や業務要件に応じて使い分けが可能です。

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主要機能勤怠管理・工数管理・経費精算・電子承認の統合(ワークログ化)・「TeamSpirit EX/TeamSpirit」製品ライン(中堅〜大企業向け)・「TeamSpirit Leaders」(プロジェクト原価管理)
所在地東京都中央区京橋2-5-18 -19F(TeamSpirit株式会社 本社)
価格・料金プラン個別見積もり制

(15)レコル

引用:https://www.recoru.in/

レコル(RecoRu) は、初期費用や運用・サポート費用がかからず、 使いやすさと手軽さを追求した設計で、多彩な打刻方法(PC/タブレット/ICカード/生体認証/スマホGPS/Slack等)に対応し、リアルタイムの出退勤状況や拠点横断管理が可能です。

また、有給管理、打刻忘れアラート、36協定チェックなど 法令順守に役立つ機能が標準搭載 されており、企業のリスク軽減にも寄与します。

さらに、勤怠データはCSV出力やAPIにより給与計算ソフトへの連携を柔軟にカスタマイズ可能で、バックオフィス業務効率化にも貢献します。

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主要機能多様な打刻方式(PC/タブレット/ICカード/生体認証/スマホGPS/Slack 等)・リアルタイム勤怠状況と拠点管理・勤務表(残業時間、有休残日数、修正履歴、打刻忘れアラート
所在地東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー15F(中央システム株式会社 本社)
価格・料金プラン月額プラン(税抜)
• 勤怠管理のみ:100円/人 
• 勤怠管理+給与計算オプション:300円/人
※最低利用料金:3,000円/月(30名未満でも発生)

2.運送業向け勤怠管理システムの選び方

運送業向け勤怠管理システムは、自社の事業規模、ドライバーの働き方、既存システムとの連携性などを総合的に考慮して選ぶ必要があります。ここでは、運送業向け勤怠管理システム選びのポイントを解説します。

(1)自社の規模・業態に合ったタイプを選ぶ

勤怠管理システムを選ぶ際は、まず自社の規模や業態に合ったタイプを見極めることが重要です。以下では企業規模に応じた選び方を解説します。

①大手企業向け:複雑な要件への対応力、カスタマイズ性重視

大規模組織で勤怠管理システムを選定する際は、次の観点を押さえることが重要です。

観点チェックポイント
多拠点・多様な勤務形態の一元管理・全国拠点やグループ会社の勤怠データを統合できるか
・権限を細かく設定し、拠点ごとの運用を維持しつつ本社で全体を把握できるか
法令遵守と労務リスク対策・時間外労働の上限規制や改善基準告示に対応できるか
・36協定超過の自動アラートや、詳細な労働時間レポートが備わっているか
カスタマイズ・システム連携・既存の人事・給与・会計システムと連携できるか
・自社の承認フローに合わせた柔軟な設定が可能か
・ベンダーに独自ルールの反映方法を具体的に相談できるか

これらを踏まえ、単なる打刻管理にとどまらず、全社の業務基盤として活用できるかを判断基準とすることで、大手企業ならではの複雑な要件にも対応できるシステムを選定できます。

②中小・中堅企業向け:導入のしやすさ、コストパフォーマンス重視

中小・中堅企業の場合は、シンプルで使いやすく、コストを抑えながら必要な機能を確実にカバーできるシステムを選ぶことが重要です。以下の観点を基準にすると、導入後の運用がスムーズになります。

観点チェックポイント
導入・運用のしやすさ・簡単に操作できるUIか
・初期設定やマスタ登録がわかりやすいか
・サポート体制(電話・チャット・マニュアル)が整っているか
コストパフォーマンス・月額料金が自社規模に見合っているか
・最低利用人数・最低利用料金の有無
・オプション費用が膨らまないかを比較する。
基本機能の充実度・打刻・シフト管理・休暇管理など、法令遵守に必要な機能が標準搭載されているか
・未打刻や残業超過のアラートがあるか。
拡張性・成長対応・将来的に従業員数が増えた場合でもスムーズに拡張できるか
・給与計算や経費精算など、他システムと連携できるか

自社に必要な機能を絞り込み、余計なコストをかけずに効果的な勤怠管理を実現するためには、これらの基準に沿った選定が有効です。

(2)必要な機能が網羅されているか確認する

勤怠管理システムを導入する際は、基本となる「出退勤打刻」「残業・休暇管理」「労働時間の集計」だけでなく、以下のような点もチェックしておくと安心です。

観点チェックポイント
労務リスクへの対応36協定や改善基準告示に沿ったアラート機能があるか。労働時間超過を検知できるレポートが備わっているか。
運送業特有の要件長時間労働や連続運転時間の管理に対応しているか。ドライバーの勤怠管理に適した仕組みがあるか。
バックオフィスとの連携給与計算ソフトや会計システムとスムーズに連携できるか。
多様な働き方への対応シフト制・変形労働時間制・テレワークなど、多様な勤務形態をカバーできるか。

導入後に「この機能がなかったために追加費用が発生した」というケースも少なくありません。比較検討の段階で、必須機能とあれば便利な機能を仕分けしておくことが、失敗しない選定につながります。

(3)サポート体制や費用対効果を比較検討する

勤怠管理システムの導入・運用を成功させるためには、サポート体制の充実度と費用対効果のバランスを慎重に見極めることが重要です。次のような観点から比較検討することが大切です。

観点チェックポイント
サポート体制・導入時に初期設定の支援があるか
・電話やチャットでの問い合わせ対応時間は十分か
・マニュアルやFAQが充実しているか
・業界特有のルールに対応した支援があるか
費用対効果・月額料金が自社の規模や勤務形態に適しているか
・オプション追加やサポート費用などで想定外のコストが発生しないか
・導入によって工数削減や労務リスク低減がどの程度期待できるか
・長期的に安定して運用できるか

これらを踏まえ、料金の安さだけでなく、長期的に見て安心して運用できるシステムかどうかを総合的に判断することが、システム選定の失敗を防ぐポイントとなります。

(4)タイムカード不要で導入できるシステムを選ぶ

運送業のように拠点が多い業種では、紙の管理が煩雑になりやすく、事務担当者の負担も大きくなります。

そのため、勤怠管理システムを選ぶ際には、タイムカードを使わずに導入できる仕組みを備えているかを確認することが重要です。具体的には、以下のような機能があると安心です。

  • PCやスマートフォン、タブレットからのオンライン打刻
  • GPS機能を活用した直行直帰・外出先からの打刻
  • ICカードや生体認証による不正防止打刻
  • 自動集計による残業時間や休暇残のリアルタイム把握

これらの機能を活用することで、紙のタイムカードが不要となり、集計作業の自動化・不正防止・現場の利便性向上を同時に実現できます。

3.運送業における勤怠管理の重要性とシステム導入のメリット

勤怠管理システムを導入することで、運送業が抱える複雑な課題を解決し、事業運営を大きく改善することが可能です。ここでは、運送業における勤怠管理の重要性システム導入のメリットについて詳しく解説します。

(1)運送業向け勤怠管理システムの重要性とメリット

運送業は、ドライバーの長時間労働や連続運転時間の制限など、厳しい労働時間規制があります。

特に、改善基準告示や36協定の遵守は企業の社会的責任に直結し、違反があれば行政処分や事業停止につながるリスクもあるため、正確な勤怠管理は不可欠です。

従来の紙のタイムカードやエクセル管理では、勤務時間の集計や法令遵守チェックが煩雑で、ヒューマンエラーや記録漏れが発生しやすいのが実情です。そこで、勤怠管理システムを導入することで以下のメリットが得られます。

観点メリット
労務リスクの低減労働時間の超過や休息不足を自動でアラートし、
改善基準告示や36協定違反を未然に防止できる。
業務効率化打刻や集計を自動化することで、
紙やエクセル管理に比べて事務作業を大幅に削減できる
リアルタイム把握各拠点やドライバーの勤怠状況を即時に確認でき、
迅速な労務管理が可能になる。
データ活用勤怠データを分析し、
シフト改善や人員配置の最適化など経営判断に活用できる。

このように、運送業向けの勤怠管理システムは、単なる労務管理ツールではなく、コンプライアンス遵守と経営効率化を両立させるための必須インフラといえます。

(2)運送業の勤怠管理における課題

運送業における勤怠管理は、以下のような独自の課題を多く抱えています。

課題内容
ドライバーの勤務実態把握が難しい直行直帰や長時間の運行が多く、
出退勤や休憩取得を正確に管理しにくい
労働時間規制への対応が複雑改善基準告示や36協定に沿った労働時間・休息時間の管理が必須であり、確認作業が煩雑になりやすい
拠点ごとの管理のばらつき複数拠点を展開する場合、管理方法が統一されず
本社での一元管理が困難になる。
リアルタイム性の不足勤怠データの更新にタイムラグが生じ、
現場状況を即時に把握できない
データ活用の難しさ勤怠データを経営指標に活かす仕組みがなく、
人員配置やシフト改善に結びつけにくい

上記のような根幹的な課題を抱えており、従来の方法では限界があるといえます。

(3)エクセルや紙台帳による管理の限界

勤怠管理をエクセルや紙台帳で行っている企業は少なくありませんが、運送業のように労働時間の規制が細かい業種では限界が明確に現れます。

課題概要
手作業による入力・集計の負担運行スケジュールや勤務パターンが複雑な場合、入力ミスや集計漏れが発生しやすく、正確性に欠ける。担当者の工数も大きく圧迫する。
法令遵守チェックの難しさ改善基準告示や36協定に基づく時間管理を手作業で確認するのは非効率で、違反リスクを抱えやすい。
リアルタイム性の不足各拠点からデータを回収して本社で集計するまでに時間がかかり、ドライバーの勤怠状況を即時に把握できない。現場対応が遅れる可能性がある。

このように、紙台帳やエクセルでの勤怠管理は「手間がかかる・ミスが起こる・法令対応に不安がある・情報が遅いという限界があり、システム化による解決が強く求められています。

5.まとめ

運送業の勤怠管理は、ドライバーの勤務実態の把握、改善基準告示・36協定の遵守、拠点横断の管理など“複雑×高リスク”の領域です。紙・エクセル運用には「手間・ミス・法令対応の難しさ・情報遅延」という構造的な限界があり、クラウド型勤怠システムの導入が最適解となります。

自社の必須要件を確認し、運送業の労務管理を効率化しましょう。

監修

企業間物流に詳しい!運行管理のプロ監修「運行管理ナビ」編集部です。

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