自動配車システムはAIやアルゴリズムを活用により、配車計画の作成を自動化することが可能です。配車担当者の負担を大きく軽減することで、業務の生産性が大幅に向上します。
この記事では、自動配車システムのおすすめサービスを17選に厳選して紹介します。
自動配車システムの概要や導入事例も解説しますので、自動配車システムの導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。
1.自動配車システムとは
従来、配車業務は担当者が手動で行い、業務が煩雑化しがちでしたが、自動配車システムの導入により業務効率が大幅に向上します。
ここでは自動配車システムの概要について、主な機能と配車管理システムとの違いについて解説します。
(1)自動配車システムの主な機能
自動配車システムは配送ルートの自動作成と車両の位置情報の管理によって、大きく業務効率化を目指すことが可能です。以下では、自動配車システムの配送ルートの自動作成と車両の位置情報の管理について詳しく解説します。
①AIやアルゴリズムによる配送ルートの自動作成
自動配車システムはAIやアルゴリズムを駆使して、以下の内容を考慮した最適な配送計画を自動作成できます。
内容 | 詳細 |
---|---|
交通状況 | 事故、道路工事、特定の時間帯における交通量の増加など |
地理情報 | 配送先の位置や現在地からのアクセスしやすさ、道路幅など |
車両の状態 | 車両の稼働状況、メンテナンスの必要性、積載量や燃料残量など |
法的観点 | ドライバーの労働時間、休憩時間など |
経験が浅い従業員でも、自動配車システムによって上記の内容を考慮した高水準の配車計画を短時間で作成できます。ドライバーの休憩時間や道路状況も考慮できるため、効率と安全の両立を目指せます。
②GPSで車両の位置情報を管理・記録
自動配車システムのGPS機能を使うと、車両の位置をリアルタイムで把握でき、運行を効率よく管理できます。GPS機能の具体的な特徴は、以下の通りです。
- 車両の位置情報をリアルタイムで監視
- 運行データの記録
- 走行履歴を基にした分析
- 配車担当者とドライバーの意思疎通をサポート
自動配車システムの車両位置情報は、リアルタイムで監視できるだけでなく記録もされるため、走行履歴をもとにした分析や改善も行いやすくなります。
具体的なデータを収集できることで、日々の業務で配車担当者からドライバーに改善を要請する場合にも運行経路や停車時間などの具体的な指示を行えます。双方の意思疎通がしやすくなり全体の生産性向上が期待できます。
(2)自動配車システムと配車管理システムの違い
自動配車システムと配車管理システムは、配車担当者の作業範囲が異なります。
自動配車システムは配車計画の作成における完全な自動化を目指していることに対して、配車管理システムは配車業務を手動である程度行うことが前提で効率化を目指します。
自動配車システム | 配車管理システム | |
---|---|---|
機能 | 配車計画を自動作成 | 配車業務の手動プロセスを支援 |
担当者の関与 | 経験やスキルに依存しない | 手動による作業が多少必要になる場合がある |
配車管理システムは配車担当者による手作業が必要になる場合がありますが、自動配車システムはさまざまな状況を踏まえた最適な配車計画を自動作成し、配車業務に必要な手間を大幅に削減します。
(3)自動配車システムの導入で期待できる効果
自動配車システムを導入することで、物流業務の効率化やコスト削減といった運用面のさまざまな効果が期待できます。以下では、自動配車システムの導入によって期待できる効果を解説します。
①配車担当者の負担軽減
自動配車システムの導入により、配車担当者の業務負担が大幅に削減されます。
システムが自動的に配車計画を立案するため、担当者は確認や調整に専念でき、社内リソースが増えることで全体の業務効率が向上します。
②配車業務の属人化解消
自動配車システムの導入によって特定の担当者が不在でも業務が滞ることがなくなり、経験の異なる従業員でも同水準で配車業務を進めることが可能になります。これにより、安定した業務運営が実現するでしょう。
③コスト面を追求した配車計画の追求
自動配車システムは、燃料費や人件費などコスト面を考慮した配車計画を自動で作成するため、コスト削減が期待できます。
最短ルートの選定や車両の最適な稼働を考慮することで、燃料代や車両維持費などの余分な経費を抑え、企業の利益率を向上させることができるでしょう。
2.自作配車表と自動配車システムのメリットを比較
配車業務の効率化を図るためには、適切な配車システムの導入が重要です。こちらでは、エクセル等を使った方法と自動配車システムを使った方法について、メリットを比較します。
(1)エクセル等で配車表を自作する
エクセル等で配車表を自作する方法は、導入コストをかけずに自社の運用形式に合わせられるというメリットがあります。
一方で、エクセル等を使った配車表は手動でのデータ入力が必要なため、人的ミスが発生するリスクがあります。また、運行データの蓄積や分析も手動となるため、管理が煩雑になり、長期的には自動配車システムの導入が検討される場合が多いです。
(2)自動配車システムを導入
自動配車システムを導入することで、配車計画の自動作成やリアルタイムでの運行管理が可能となり、業務効率と安全性が飛躍的に向上します。
また、利用するシステムによってはAIを活用した高度なデータ分析機能も備えており、過去の運行データや車両の稼働状況をもとにした配車計画を自動作成できます。
そのため企業は効率化だけでなく、自動配車システムを活用して長期的なコスト削減やリソースの最適配分といった戦略的な運営が期待できます。
3.【無料お試しあり!】トラックや物流におすすめの自動配車システム17選
(1)トータル物流基幹システムAIR
トータル物流基幹システムAIRは、クラウドベースで運用できる充実した機能性が魅力の自動配車システムです。ブラウザからアクセス可能で、自社サーバーが不要であり、コストを抑えて導入できます。
配車に関する機能の他にも、日報や請求、仕入れといった業務にも対応しているため、多面的に業務効率化を目指している企業に適しています。
以下では、充実した機能性を備えながらも扱いやすさに優れたトータル物流基幹システムAIRの操作画面を紹介します。
メインメニュー | ・配送量やドライバーの状態をリアルタイムで監視 ・直感的に操作しやすいデザイン性 |
配送依頼登録 | ・登録業務の効率化 ・データアップロードによる登録も可能 |
配車計画 | ・配車後、地図で経路を確認可能 ・携帯アプリと連動し、配送進捗の確認ができる |
運転日報入力 | ・日報管理・入力の効率化 ・ドライバー用アプリの使用で運行情報が連携される |
請求 | ・輸送金額を荷主・明細単位ごとに確認できる ・確定後はExcel・PDFで請求書を出力可能 |
- 物流業務(受注、配車、運転日報、請求、仕入れなど)のすべてを一つのプラットフォームで管理
- クラウドベースの管理システムで自社サーバーが不要
- AIによる配送ルートの自動生成
トータル物流基幹システムAIRの導入によって、配車業務の効率化と法令遵守の両立を目指すことができます。
配車計画の作成を中心に物流業務に関して悩みを抱える場合には、トータル物流基幹システムAIRで業務効率化を実現してみましょう。
対応業務 | ・配車業務の自動化・最適化 ・労務管理や運転日報登録の効率化 ・受注、配車、運転日報、請求、仕入れを一元管理 |
---|---|
所在地 | 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル |
価格・料金プラン | こちらからお問い合わせできます |
(2)Loogia
Loogiaは、アルゴリズムとビックデータを活用した配車計画の作成が可能です。
- 配車業務における高精度な経路探索
- 車両台数と人件費の削減を目指せる配車計画の作成
- シンプルなUIで簡単に操作
Loogiaを導入することで、配送業務の効率化とコスト削減を同時に実現します。2024年問題やSDGsへの対応、カーボンニュートラルの推進など、運送業界が直面する様々な課題に対して、包括的なソリューションを得ることができます。
対応業務 | ・シンプルなUIで簡単に操作 ・車両動態管理 ・配車計画の効率化 |
---|---|
所在地 | 愛知県名古屋市中区栄2丁目11番30号セントラルビル9階 |
価格・料金プラン | 拠点数、車両台数に応じた利用料金※具体的な金額は要問い合わせ |
(3)LYNA 自動配車クラウド
LYNA 自動配車クラウドでは、独自のAI技術による配車計画の作成の自動化が可能です。
- 直感的なUIで誰でも簡単に操作可能
- 他拠点やドライバーとの情報共有が容易
- 専任スタッフによる充実したサポート体制
LYNA 自動配車クラウドを導入することで、人材不足や業務の属人化といった課題に対処できるでしょう。
対応業務 | ・配送計画の自動作成 ・車両動態管理 ・運行スケジュール管理 |
---|---|
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜2-15-16 NMF新横浜ビル |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(4)Cariot
Cariotは、車両動態管理とドライバーの働き方改革を支援するクラウドサービスです。リアルタイムの位置情報活用と車両管理業務のDXにより、現場の業務効率化と安全性向上を実現します。
- 3秒に1回の同期で全車両の位置情報とステータスをリアルタイムに可視化
- 運転日報のデジタル化により、ペーパーレス化と業務効率化を実現
- 運行実績データの自動集計により、労務管理や安全管理が容易に
対応業務 | リアルタイム車両管理、位置情報提供、車両管理業務、配送計画、到着予測、遅延検知 |
---|---|
所在地 | 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング11F |
価格・料金プラン | 導入費用0円契約台数とアカウントに応じた月額費用 |
(5)TUMIX
TUMIXは、運送業向けの総合的な業務管理システムです。配車管理から売上管理、経費管理まで、運送業に必要な機能を網羅しています。
- 配車から請求までの一連の業務をシームレスに管理し、業務効率を向上
- クラウド型のため、場所を選ばず利用でき、リアルタイムな情報共有が可能
- カスタマイズ性が高く、各企業の独自の業務フローに対応可能
対応業務 | 配車管理、請求・入金管理、勤怠管理、コンプライアンス管理、運送業務全般のDX化 |
---|---|
所在地 | 静岡県静岡市葵区栄町1-3 鈴与静岡ビル 4階 |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(6)GuRutto
GuRuttoは、地図情報を活用した配送計画支援システムです。最適な配送ルートの設計や効率的な配車計画の立案をサポートします。
- 地図上で直感的に配送計画を立案でき、業務効率が向上
- 実績データの分析機能により、継続的な業務改善が可能
- 複数の配送条件を考慮した最適ルートを自動で算出
対応業務 | 配送計画作成、ルート最適化、リアルタイム動態管理、配車管理 |
---|---|
所在地 | 富山県富山市千原崎1-7-17 |
価格・料金プラン | ライト:5,500円/月スタンダード:11,000円/月プロ:33,000円/月無料プランもあり |
(7)POT配車
POT配車は、配車作業の完了後に運行指示書が自動作成されます。配送先のデータ統合や積載量の自動計算により、効率的な配車計画を支援し、現場での柔軟な対応が可能です。
配車が完了すると、ピッキングリストや運行指示書が自動生成されるため、現場作業の効率向上に貢献します。
- セミオート配車機能での効率的な配車計画
- 配送先のデータ統合や積載量の自動計算
- ピッキングリストや運行指示書の自動生成
対応業務 | ・セミオート配車機能 ・自動計算機能 ・ピッキングリストや運行指示書などの自動生成 |
---|---|
所在地 | 東京都目黒区大橋1-6-2 KDX池尻大橋ビル |
価格・料金プラン | お問い合わせからご確認ください |
(8)ODIN リアルタイム配送システム
ODIN リアルタイム配送システムは、配送業務の可視化と効率化を図ることできます。顧客満足度の向上とコスト削減の両立を目指す企業に適しています。
- リアルタイムの車両位置情報と配送計画の連動により、迅速な対応が可能
- スマートフォンを活用した簡単な操作で、ドライバーの負担を軽減
- 配送実績データの分析により、継続的な業務改善を支援
対応業務 | ・車両動態管理 ・配送計画作成 ・日報自動作成 |
---|---|
所在地 | 神奈川県横浜市西区北幸2-10-39 日総第5ビル 9F |
価格・料金プラン | 2,000円・月配送計画を割り当てる人数分初期費用:165,000円 |
(9)AI自動配車
AI自動配車を導入することで、企業は人的スキルに依存せず、最適な配送計画を立案し、業務効率の向上とコスト削減を達成できるようになります。
- AI技術による経験を問わず最適な配送計画を作成
- 多様なコスト要素を考慮した総合的な最適化を実現
- 高精度なジオコーディング技術により、正確な位置情報に基づく配車が可能
対応業務 | ・配送計画の自動作成 ・ルート最適化とコスト最適化 ・訪問エリア管理 |
---|---|
所在地 | 東京都港区芝浦3-1-1 msb Tamachi 田町ステーションタワー N22階 |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(10)自動配車システムTOMAS
自動配車システムTOMASには、企業は配送業務の効率化と法令遵守の両立を目指す機能が備わっています。配車計画の作成とあわせて、労務管理の効率化を目指したい企業におすすめです。
- 経路最適化だけでなく、労務管理も含めた総合的なスケジュール最適化
- 2024年問題に対応した労働時間管理機能
- 複雑な企業間配送にも対応可能な高度な最適化アルゴリズム
対応業務 | 配車計画作成、ルート最適化、コスト管理、情報共有 |
---|---|
所在地 | 千葉県市川市八幡3-4-8 田中ビル4F |
価格・料金プラン | 50,000円~/月(利用拠点数、車両台数、利用人数等により変動) |
(11)自動配車アシスタントLOG
LOGを導入することで、企業は配車業務の属人化を解消し、常に最適な配車計画を立案することで、業務効率の向上とコスト削減を実現することができます。
- 人工知能による高度な配車最適化で、熟練者レベルの配車を自動で実現
- 直感的なUIにより、誰でも簡単に操作可能
- クラウド型のため、初期投資を抑えて導入可能
対応業務 | 配車計画作成、自動配車、日々の配車業務支援 |
---|---|
所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1丁目12−1渋谷マークシティW22F |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(12)ハコベル
ハコベルを導入することで、物流業務全体のデジタル化と最適化を実現し、コスト削減と業務効率向上を同時に達成できるようになります。
- ネットで簡単に運送を手配でき、非稼働時間を有効活用した低価格な配送を実現
- 配車計画から動態管理、請求まで一貫したシステムで業務を効率化
- 全国約800件以上の倉庫情報から最適な物流サービスとマッチング可能
対応業務 | ・物流のシェアリングプラットフォーム運営 ・配送業務効率化 ・物流DX支援 |
---|---|
所在地 | 東京都中央区日本橋3丁目9-1日本橋三丁目スクエア 2Fクロスコープ日本橋 |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(13)AI自動配車システムADS
ADSを導入することで、配車業務の効率化とコスト削減の両立を目指すことができます。連携できる他システムが豊富なため、既にシステムを導入している場合にもスムーズに導入しやすいことが特徴です。
- 複雑な制約条件に対応した配車計画を自動生成
- 顧客ごとにカスタマイズされたアルゴリズムで、各社の運用実態に柔軟に対応
- 既存の管理システムとの連携が可能で、シームレスな導入を実現
対応業務 | ・配車計画の自動作成 ・ルート最適化 ・労働時間管理 |
---|---|
所在地 | 東京都千代田区神田錦町1-23 宗保第2ビル4F |
価格・料金プラン | 50,000円〜/月車種、車両台数、制約条件等により、異なるため、詳細は要問い合わせ |
(14)IVR自動配車システム
IVR自動配車システムを導入することで、配車業務の効率化とサービス品質の向上を図り、顧客満足度を高めることができます。
- オペレーターを介さず24時間の自動受付が可能
- 自動対応で注文の取りこぼしを防止
- 配車業務の効率化を実現
対応業務 | ・配車計画の自動作成 ・24時間電話対応 ・SMS送信機能 |
---|---|
所在地 | 新潟県新潟市中央区上所中3-14-8 |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
(15)トラッカーズマネージャー
トラッカーズマネージャーは配車業務の効率化によって、経営の可視化と迅速な意思決定を支援します。配車計画から実績管理まで、運送業務全体をクラウド上で一元管理することが可能です。
- 多彩な帳票出力機能で、経営分析や業務改善をサポート
- スマートフォンアプリとの連携で、リアルタイムな情報共有が可能
- 経営状況の可視化
対応業務 | ・車両管理 ・ドライバー管理 ・運行管理 |
---|---|
所在地 | 東京都港区芝大門2-5-5 住友芝大門ビル5F |
価格・料金プラン | ・監査対応プラン ・運行管理プラン(詳細は要問い合わせ) |
(16)KITARO
KITAROを導入することで、企業は配車業務の効率化と柔軟性向上を実現し、急な変更にも迅速に対応できる体制を構築できます。
- AIアルゴリズムにより、複雑な配送条件下でも最適な配車計画を立案
- 直感的なUI設計で、簡単に操作可能
- リアルタイムでの計画変更に柔軟に対応し、突発的な状況にも即座に対処
対応業務 | ・車両位置情報管理 ・運行管理 ・安全運転 ・エコドライブ評価 |
---|---|
所在地 | 東京都港区西新橋2-3-1マークライト虎ノ門 8F |
価格・料金プラン | 初期費用無料1台につき2,800円/月 |
(17)簡易配車システム
簡易配車システムは、中小企業に適した配車業務のデジタル化を実現します。業務効率の向上と人的ミスの削減によって総合的な業務効率化を図ることができます。
- シンプルな操作性で、ITに不慣れな方でも容易に利用しやすい
- 配車表の作成から実績管理まで、基本的な機能を低コストで提供
- カスタマイズ性が高く、各社の業務フローに合わせた調整が可能
対応業務 | ・配車計画の自動作成 ・最適ルート計算 ・運賃計算(オプション) |
---|---|
所在地 | 東京都中央区新川2-4-7 |
価格・料金プラン | 要問い合わせ |
4.自動配車システムの比較ポイント
自動配車システムの選び方・比較ポイントは、以下のとおりです。
- クラウド型またはオンプレミス型か
- 機能性が自社にあっているか
- サポート体制が充実しているか
- 操作画面の扱いやすさ
ここでは、自動配車システムの選び方・比較ポイントについて詳しく解説します。
(1)クラウド型またはオンプレミス型か
自動配車システムは、クラウド型またはオンプレミス型のどちらを選ぶかによってコストや機能性に関する強みが異なります。
クラウド型はインターネットを通じて外部のプロバイダが提供するサービスを利用する形態です。
オンプレミス型は自社サーバーにシステムを構築します。
クラウド型とオンプレミス型の違いは以下の通りです。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
初期費用 | 低い | 高い |
運用コスト | 低い | 高い |
導入の手軽さ | 導入が容易 | 導入に時間がかかる場合が多い |
インターネット接続 | 必須 | 不要 |
セキュリティ | 外部プロバイダに依存 | 自社で完全に管理 |
システムのカスタマイズ性 | 標準機能が中心 | 柔軟なカスタマイズが可能 |
クラウド型は初期費用や運用コストが低く、導入が手軽な反面、インターネット接続が必須でセキュリティは外部に依存します。
一方、オンプレミス型は初期費用が高く導入に時間がかかるものの、セキュリティ面で自社管理ができ、柔軟なカスタマイズが可能です。
自動配車システムを導入する際には自社のニーズに応じて、最適なシステムを選定することが重要です。
(2)機能性が自社にあっているか
自動配車システムはサービスによって多種多様な機能が備わっています。機能性や使用感といった観点から、自社に必要な機能を持つシステムを選ぶことが大切です。
自動配車システムの主な機能は、以下のとおりです。
主な機能 | 詳細 |
---|---|
配車計画の自動作成 | AIやアルゴリズムで配送ルートや車両の割り当てを自動化 |
リアルタイムの運行管理 | GPSで車両の位置情報と運行状況をリアルタイムで監視 |
ドライバーの労務管理 | 法的な休憩時間や労働時間を考慮した運行計画を自動作成 |
データ分析機能 | 運行履歴や効率性を分析し、コスト削減や業務改善 |
自動配車システムを活用することで長時間運転を避け、途中での休憩時間を適切に挟むようなスケジュールを自動で作成することができます。自社にあった機能性の自動配車システムを選ぶことにより、事故リスクの軽減やドライバーの負担軽減が実現するでしょう。
(3)サポート体制が充実しているか
自動配車システムの導入後、トラブルが発生した際に迅速に対応してもらえるか、またシステムの使い方について適切なサポートを受けられるかが、運用の安定性に直結します。
たとえば、24時間対応のサポート窓口があれば、システム障害や運用に関する疑問が生じた際でも、すぐに対処しやすいため導入初期でも業務の停滞を防ぐことができます。
また導入時に操作マニュアルやトレーニングが用意されていると、従業員がスムーズにシステムを活用できるため、業務移行が容易になります。
(4)操作画面の扱いやすさ
自動配車システムの操作画面が直感的でわかりやすいインターフェースであれば、システムの導入後にスムーズに運用を開始でき、導入時における担当者の負担も軽減されるでしょう。
操作画面の扱いやすさに関して、確認すべきポイントは以下のとおりです。
- ドラッグ&ドロップ機能
- 運行状況の可視化
- カスタマイズ性
配車担当者が日々使うシステムであるため、直感的に操作できるインターフェースであることが大切です。
5.自動配車システムの導入事例
(1)自動配車システムの導入で配車業務の効率化
対象の共同配送センターは数十社にわたる荷主企業との取引があり、ニーズの違いや発注タイミングの違い等によって配車業務が複雑化していました。
自社にあわせた独自システムの導入によって、適切な配車が行いやすくなり、請求書作成の時間を短縮できた等の業務効率化も図ることができました。
また、現状の人員で配送量の拡大に対応できたことで、相対的なコスト削減にもつながっています。
参考:https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/jyoho/itguidebook_025.pdf
(2)配車業務を効率化するための環境を整備
NXグループでは、ドライバーの労働時間減少による輸送力の低下が課題となっており、輸送力の確保や生産性の向上を目的に自動配車システムを導入しました。
カスタマイズしやすく、何度も配車を組めることで柔軟な配車が可能です。配送予定表や全体ガントチャートも標準装備され、配車業務の効率化を図るための環境整備を行えました。
参考:https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/buturyu_douro/pdf02/03.pdf
(3)配車業務全体の可視化により業務の負担を軽減
物流センターから建設現場までの近距離輸送において、配車担当者の人材不足と業務量の拡大による社内リソースの確保が課題でした。
自動配車システムの導入後は受注状況や配車状況等の可視化が可能となり、配車業務の負担を軽減しています。
荷主企業からの依頼に対しても素早く回答ができることで、顧客満足度の向上にもつながりました。
参考:https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/jirei_ex.pdf
6.まとめ
自動配車システムは自動化によって、配車業務の負担軽減に大きく貢献します。
しかしさまざまな機能のサービスがあり、それぞれで特色や強みが異なるため、予算や内容にあわせて自社にあった自動配車システムを選ぶことが大切です。