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物流の運行管理システムは?比較ポイント、無料を含むおすすめ15選

運送業の請求書システム16選!料金・機能を徹底比較

この記事では運賃計算連動インボイス制度/電子帳簿保存法対応機能の幅料金相場を軸に、主要システムを分かりやすく比較します。

目次

1.主要な運送業向け請求書システム比較

(1)トータル物流基幹システムAIR

引用:五十鈴株式会社

五十鈴株式会社の物流基幹システム AIRは、配車計画を含む多面的な機能性で業務効率化を強力にサポートします。

AIRの主な特徴は以下の通りです。


メインメニュー


・配送量やドライバーの状態をリアルタイムで監視
直感的に操作しやすいデザイン性


配送依頼登録


・登録業務の効率化
・データアップロードによる登録も可能


配車計画

・配車後、地図で経路を確認可能
・携帯アプリと連動し、配送進捗の確認ができる


運転日報入力


・日報管理
・入力の効率化
・ドライバー用アプリの使用で運行情報が連携される


請求


・輸送金額を荷主
・明細単位ごとに確認できる
・確定後はExcel
・PDFで請求書を出力可能

トータル物流基幹システムAIRのおすすめポイント
  • 業務の一元管理
  • AIによる配送ルートの自動生成
  • 営業所間でのデータ連携を効率化

「トータル物流基幹システムAIR」は、運送業に最適化された基盤です。配車計画から運転日報、傭車精算、そして請求書発行までをシームレスに連携します。GPSやデジタコのデータをもとに距離・重量・待機料・付帯作業を自動計算し、荷主別レイアウトで正確な明細を素早く作成できます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも標準対応しており、コンプライアンスを確保しながら業務効率化とミス削減を実現します。自社サーバーは不要で、拠点や在宅から安全にアクセスできます。

主要機能受注、配送計画の立案、運転日報の管理、請求書の管理、他のシステムとの連携、ドライバーアプリ機能、売上仕入れ管理など
所在地東京都千代田区丸の内2−2−1岸本ビル10階
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます

(2)INFO-Logi(インフォポート合同会社)

引用:INFO-Logi(インフォポート合同会社)

「INFO-Logi」は、運送業に特化したクラウド型運行管理システムです。配車計画から運行状況のリアルタイム把握、そして請求書発行までをシームレスに連携させます。特に、GPSやデジタコから取得したデータを基にした詳細な運賃計算機能は、請求業務の精度とスピードを大幅に向上させます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、コンプライアンスを重視しつつ、業務効率化を図りたい企業に適しています。

主要機能受注、配車・配送計画、運転日報、請求書(インボイス対応)、他システム連携、ドライバーアプリ、売上・仕入管理など
所在地岡山県岡山市北区下中野 477-5 3F
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(3)コムトラックシステム(株式会社イクソル)

引用:コムトラックシステム(株式会社イクソル)

「コムトラックシステム」は、運送業に特化した基幹システムであり、請求書発行機能はもちろん、配車管理、運行管理、在庫管理といった複数の業務を統合管理できるのが強みです。特に、デジタコデータとの連携による運賃計算の自動化や、GPSによるリアルタイムな輸配送状況の把握により、請求業務の精度とスピードを格段に向上させます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、法改正への懸念も解消します。

主要機能受注、配車・配送計画、運転日報、請求書(会計連携可)、他システム連携、ドライバー連絡、売上・支払管理など
所在地東京都中央区銀座7丁目13-6 サガミビル2F
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(4)DriveDoor(株式会社トラックス)

引用:DriveDoor(株式会社トラックス)

「DriveDoor」は、運送業に特化したクラウド型システムで、配車計画から請求書発行まで一気通貫で管理できます。GPSやデジタコとの連携により、実績に基づいた正確な運賃計算と請求書作成を支援します。インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、業務効率化とコンプライアンス遵守を両立させたい運送事業者におすすめのシステムです。

主要機能受注、配車・配送計画、運転日報、請求書(会計連携可)、他システム連携、ドライバー連絡、売上・支払管理など
所在地千葉県市川市鬼高2-9-13
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(5)トラックメイトPro4(株式会社タイガー)

引用:トラックメイトPro4(株式会社タイガー)

「トラックメイトPro4」は、運送業の運行管理から請求管理までをトータルサポートするシステムです。デジタコやGPSデータを取り込み、実績に基づいた詳細な運賃計算と請求書発行を効率化します。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、法改正への対応も万全です。長年の実績とノウハウが詰まった、運送業に特化した信頼性の高いシステムと言えるでしょう。

主要機能受注、配車・配送計画、運転日報、請求書(会計・給与連携)、点呼勤怠管理、デジタコ連携、安全・倉庫管理など
所在地東京都千代田区神田猿楽町2-1-14 A&Xビル2階
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(6)トラッカーズマネージャー(株式会社Azoop)

引用:トラッカーズマネージャー(株式会社Azoop)

「トラッカーズマネージャー」は、運送業の運行・配車・請求管理を包括的にサポートするクラウド型システムです。GPSデータやデジタコデータとの連携により、実績に基づいた正確な運賃計算と請求書作成を自動化します。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、法令遵守を支援します。日々の運行状況をリアルタイムで把握し、請求業務の効率化と精度向上に貢献します。

主要機能受注、配車・配送計画、運行管理、請求・支払管理、車両・乗務員管理、配車表・勤怠、デジタコ連携、収益分析等など
所在地東京都港区芝大門2-5-5 住友芝大門ビル5F
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(7)ロジックス(アセンド株式会社)

引用:ロジックス(アセンド株式会社)

「ロジックス」は、運送業の業務に特化したシステムとして、配車計画から請求書発行、さらには経営分析までを包括的にサポートします。デジタコやGPSデータとの連携により、運行実績に基づいた正確な運賃計算と請求書作成を効率化。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応し、法改正への対応も万全です。日々の運行状況をリアルタイムで把握し、請求業務の効率化と精度向上に貢献します。

主要機能受注、配車・帳票、請求・支払、労務・車両管理、デジタコ連携、実運送体制簿、売上見える化・分析、カスタム可など
所在地東京都新宿区市谷砂土原町2-7-19田中保全ビル3階
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(8)ロジポケ(X Mile株式会社)

引用:ロジポケ(X Mile株式会社)

「ロジポケ」は、運送業の現場に寄り添ったシステム開発で定評があります。配車管理から運行管理、そして請求書発行までをシームレスに連携させ、日々の業務効率化を強力にサポートします。特に、デジタコやGPSデータとの連携による運賃計算の精度向上は、請求業務におけるミスを削減し、迅速な請求書発行を実現します。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、コンプライアンス面でも安心です。

主要機能台帳管理、勤怠・点呼・アルコール、事故/安全教育、案件・配車、動態管理、請求・売上ダッシュ、採用支援など
所在地東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア W7F
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(9)車楽クラウド(株式会社オーユーシステム)

引用:車楽クラウド(株式会社オーユーシステム)

「車楽クラウド」は、運送業の事務処理に特化したクラウド型システムで、車両管理、配車支援、運行実績の収集から請求書発行までをシームレスに連携します。GPSやデジタコデータとの連携による正確な運賃計算を支援し、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応。日々の業務効率化とコンプライアンス遵守を両立させたい運送事業者にとって、有力な選択肢となるでしょう。

主要機能配車・運行、車両管理、請求・支払、デジタコ連携、動態管理、修理履歴、売上・実績、クラウド運用、保守体制有など
所在地岡山市北区撫川839-1
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(10)“一番星”運送業システム(システムギア株式会社)

引用:“一番星”運送業システム(システムギア株式会社)

「“一番星”運送業システム」は、運送業の基幹業務を網羅する統合型システムです。請求管理はもちろん、配車管理、運行管理、在庫管理、さらには車両・乗務員管理といった多岐にわたる機能を備えています。デジタコやGPSデータとの連携による正確な運賃計算と請求書自動作成、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応など、運送業特有のニーズに応える設計がされています。

主要機能受注・配車、請求・支払、車両・乗務員、デジタコ連携、運転者台帳・整備、経営分析、クラウド/オンプレ対応など
所在地大阪市西区江戸堀1丁目9番14号 システムギア大阪ビル
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(11)Good Truck(GT合同会社)

引用:Good Truck(GT合同会社)

「Good Truck」は、運送業の基幹業務を効率化するシステムです。特に請求書発行においては、運行実績データ(デジタコ、GPS等)との連携による正確な運賃計算を支援し、手作業によるミスを削減します。インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正にも柔軟に対応しており、コンプライアンスを確保しながら請求業務の迅速化と正確性向上を実現します。

主要機能受注・配車〜請求/支払・労務・車両まで一元化。中継輸送(スイッチ)と実運送体制管理簿に対応し、デジタコ/ETC連携で実績反映。中継時の拠点・乗務員への売上分配も自動化など
所在地神奈川県相模原市南区麻溝台1-13-1 DPL相模原
価格・料金プランこちらからお問い合わせできます。

(12)そらうど(佐賀県貨物自動車事業協同組合)

引用:そらうど(佐賀県貨物自動車事業協同組合)

「そらうど」は、組合員向けのサービスとして、共同でのシステム導入によるコスト削減と業務効率化を目指しています。運行管理システムと連携し、実績に基づいた請求書作成を支援。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応し、組合員のコンプライアンス遵守と業務負担軽減に貢献する、協同組合ならではのソリューションです。

主要機能受注から配車、請求・支払、労務、車両までを一元管理。中継輸送(スイッチ輸送)と実運送体制管理簿に対応し、デジタコやETC連携で実績を自動反映。
所在地佐賀県佐賀市西与賀町大字厘外1592-4
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(13)LOGI-Cube EXPRESS(株式会社コモンコム)

引用:LOGI-Cube EXPRESS(株式会社コモンコム)

「LOGI-Cube EXPRESS」は、運送業に特化したクラウド型システムとして、配車計画から運行管理、請求書発行までを一元管理します。GPSやデジタコなどの運行データを活用し、実態に即した正確な運賃計算を支援。これにより、請求書作成のスピードアップとミスの削減を実現します。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、コンプライアンス強化と業務効率化を両立させたい事業者におすすめです。

主要機能運送・倉庫・通関業務をトータルでサポート。運送管理(EXPRESS)、倉庫管理(STORAGE)、通関・フォワーダー管理(PORT)をラインナップし、クラウド運用にも対応。配車・請求・在庫・通関書類まで一元管理し、kintone連携やセキュリティ対策も強化。
所在地福岡県福岡市東区千早5丁目13−38 ルリアン香椎参道 6階
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(14)DiSynapse(株式会社情通)

引用:DiSynapse(株式会社情通)

「DiSynapse」は、運送業のDX推進を支援する統合型クラウドシステムです。配車計画から運行管理、請求書発行、さらには経営分析まで、一連の業務プロセスをスムーズに連携させます。特に、GPSやデジタコなどの運行データを活用したリアルタイムでの運賃計算と請求書作成機能は、業務の精度とスピードを飛躍的に向上させます。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応はもちろん、多様な業種・業態のニーズに応える柔軟性も備えています。

主要機能運送業に特化した総合管理システム。運行・労務・受注・点呼・原価・倉庫まで一元化し、導入企業は300社以上。改善基準告示に則した労働時間チェックやデジタコ連携でコンプライアンス対応を強化。自社開発のため柔軟なカスタマイズが可能
所在地宮城県仙台市太白区砂押南町2番3号 日興ビル3
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(15)ATRAS21(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

引用:ATRAS21(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

「ATRAS21」は、運送業の会計・給与計算・販売管理といった基幹業務を統合的にサポートするパッケージシステムです。請求書発行機能も充実しており、過去の販売実績データとの連携や、カスタマイズによる運賃計算ロジックの組み込みが可能です。インボイス制度や電子帳簿保存法にも標準で対応しており、法令遵守と業務効率化を同時に実現します。

主要機能運転日報入力から請求・傭車料管理、車両収支実績表まで一元化し、未確定運賃対応で請求漏れを防止。請求額と傭車料の対比で粗利を把握し、価格交渉をサポート。
所在地東京都新宿区西新宿六丁目8番1号住友不動産新宿オークタワー
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

(16)Transport(株式会社エコシステムズ)

引用:Transport(株式会社エコシステムズ)

「Transport」は、運送業の基幹業務を網羅する統合型システムです。配車計画から運行管理、請求書発行、さらには債権管理や入金管理まで、一連の業務プロセスをスムーズに連携させます。特に、GPSやデジタコなどの運行データと連動した精緻な運賃計算機能は、請求業務の正確性と効率を飛躍的に向上させます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも完全対応し、コンプライアンスを強化しながら業務効率化を実現したい企業に最適です。

主要機能配車・運行・勤怠・車両管理など運送業務を総合的に一元化できる管理システム。20年以上・250社以上の導入実績を持ち、業務形態に合わせた柔軟なカスタマイズが可能。
所在地愛知県名古屋市西区名駅2-4-3ウエスタンビル75
価格・料金プランこちらからお問い合わせいただけます。

2.運送業向け請求書システムの基礎知識

運送業における請求書発行業務は、その特殊性から多くの課題を抱えています。これらの課題を理解し、適切なシステムを導入することは、業務効率化とコンプライアンス遵守の両立に不可欠です。ここでは、請求書システムがどのような機能を持つのか、そして運送業特有の請求業務における具体的な課題について解説します。

(1)請求書システムとは?(機能概要)

請求書システムは、請求書の作成から送付・入金確認・督促までを一元管理できる基盤です。特に運送業においては、配車システムやデジタコ、運転日報と連携し、距離や重量、容積、待機料、時間帯・地区の割増、付帯作業などを自動計算して明細に反映する仕組みが整っています。

主な機能と特徴

機能カテゴリ機能内容
請求書作成・送付荷主ごとのレイアウト、締日、税区分に対応。メール配信や郵送代行で確実に送付可能。
自動計算・連携配車・デジタコ・日報と連動し、距離・重量・容積・割増・付帯作業を自動計算。
入金消込・督促自動照合で未回収を可視化。督促フローを標準化し、回収遅延を防止。
共同配送・傭車精算配送の按分や元請・下請間の再請求にも対応。
法令対応インボイス制度・電子帳簿保存法に準拠。会計・販売管理とAPI/CSV連携。

(2)運送業特有の請求業務における課題

運送業の請求は、距離・重量・容積に加え、地区や時間帯の割増、待機料や付帯作業、共同配送の按分、傭車精算、元請–下請の再請求など計算要素が多く、案件ごとに明細を正確に作るだけでも負荷が高くなりやすいです。さらに、荷主ごとのレイアウトや締日、税区分の違いも設定・確認工数を増やします。

紙やExcelを前提とした運用では、二重入力や転記ミスが発生しやすく、郵送・印刷コストや発送リードタイムもかかります。入金消込や督促は履歴の突合に時間を要し、滞留の可視化が遅れがちです。担当者の経験に依存して属人化が進む一方で、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応は証跡管理や保存要件の確認が必要となり、現場と経理双方の負担をさらに高めてしまいます。

3.運送業向け請求書システムの選定ポイント

運送業の請求業務は、その複雑さと専門性から、システム選定において特に注意すべき点がいくつかあります。自社の業務フローや規模、将来的な展望を踏まえ、最適なシステムを見極めることが重要です。ここでは、システム選定にあたり、特に注視すべき6つのポイントを解説します。

(1)運賃計算との連動性

請求の正確性とスピードは、運賃計算をどれだけ自動化できるかで決まります。配車計画・運転日報・デジタコ/GPSと連携し、実走行距離や走行時間、待機・付帯作業を自動取り込みできるシステムであれば、案件・荷主ごとの明細を自動生成し、例外のみを承認する運用へ移行できます。併せて、地域・時間帯割増や燃料サーチャージ、最低料金・上限、端数処理、改定のバージョン管理といったルールを柔軟に設定できることが重要です。

確認項目具体例期待効果
デジタコ/配車連携距離・時間・待機/付帯の自動取込、明細自動生成計算ミス/請求漏れ削減、処理時間短縮
料金ルール設定地域/時間帯割増、サーチャージ指数連動、丸め・下限上限、改定のバージョン管理一貫した自動計算、設定変更の追跡性確保
共同配送/傭車/再請求按分ロジック、買掛との整合、返還請求書の明細化明細の透明性向上、差戻し減少
承認/監査差異のみ承認、操作ログ・改ざん防止(電帳法想定)監査対応強化、リードタイム短縮
帳票/会計連携荷主別レイアウト、API/CSV仕訳、入金消込との連動二重入力排除、回収管理の効率化

上記を満たすと、手入力や転記が大幅に減り、計算根拠のトレースと承認履歴も確保できます。結果として、ミスと請求漏れを抑えながら請求リードタイムを短縮し、会計連携や回収管理までスムーズに接続できる体制を構築できます。

(2)法改正への対応:インボイス制度・電子帳簿保存法

インボイス制度と電子帳簿保存法への対応は、請求の「作成・受領・保存・監査」まで一連で満たせることが重要です。登録番号や税率の自動反映だけでなく、電子取引データの改ざん防止、検索・証跡、返還請求書への対応までを標準機能で担保できるかを確認します。制度改正時に自動アップデートやガイド表示があると、現場と経理の負担を大きく減らせます。

確認項目要件・ポイントシステムでの実装例期待効果
適格請求書(インボイス)登録番号・税率区分・軽減税率・返還請求書取引先マスタに登録番号と適用開始日を保持、ヘッダーへ自動差し込み、赤伝の自動発行記載漏れ防止、仕入税額控除の確実化
電子取引の保存要件真実性・見読性・検索性の確保受領時刻の記録、ハッシュ/操作ログ、レイアウト保持、日付・相手先・金額で即時検索監査対応の迅速化、紙保管の撤廃
改ざん防止タイムスタンプ/署名、バージョン管理自動タイムスタンプ付与、X.509検証結果の保存、再発行時の履歴保持証拠能力の向上、内部統制の強化
証憑リンク/承認請求⇔配車・日報・契約の突合、承認ログ関連書類を相互リンク、差異のみ承認、操作ログ保全差戻し削減、根拠のトレース容易
権限/保存期間/バックアップ誰が何を見られるか、保管年限、復旧役割別権限、WORM相当、定期バックアップと復旧手順誤削除・情報漏えいの抑止
入力・受領経路メール/PDF/ポータル/EDI取り込みAI/OCRでメタデータ(登録番号・税区分・日付)自動付与登録作業の自動化・工数削減

上記を満たすシステムであれば、インボイスの記載漏れや電帳法の不備を防ぎつつ、監査対応を平準化できます。配車・運転日報・契約とのリンクや承認履歴まで一元化することで、コンプライアンスと業務効率の両立を実現できます。

(3)機能面

運送業特有の複雑な請求業務を効率化するためには、請求書発行・送付(郵送・メール)の効率化はもちろん、受領請求書の管理や仕訳連携、債務支払管理といった機能も重要です。さらに、CRM・販売管理システムや、車両・乗務員・給与管理機能との連携、経営分析・レポート機能まで備わっていると、より包括的な業務改善が期待できます。

①請求書発行・送付(郵送・メール)の効率化

運賃計算の結果から荷主別レイアウトで請求書を自動生成します。PDF一括作成、メール一括送信、郵送代行に対応し、承認フローで差戻しを減らします。テンプレの項目・丸め・税区分も柔軟に設定できます。

②受領請求書の管理・仕訳連携

協力会社請求や高速・燃料などをAI/OCRで取り込み、電帳法の要件に沿って保管します。承認後は会計へ自動仕訳連携し、科目・部門・車両IDまで付与できます。計上漏れ・二重払いを防止します。

③債務支払管理

支払期日を自動管理し、支払予定表やFBデータ(全銀形式)を出力します。相殺処理や早期/遅延の管理にも対応し、資金繰りを安定させます。傭車の買掛計上とも整合できます。

④CRM・販売管理システムとの連携

見積→受注→配車→請求までの情報をつなげます。顧客属性や取引条件に応じた単価・回収サイト・締日を自動適用し、与信や滞留状況も可視化できます。営業のフォローも迅速になります。

⑤経営分析・レポート機能

ダッシュボードで荷主別粗利、便別採算、車格別単価、回収サイト、郵送コスト削減効果を可視化します。月次のKPI(リードタイム、差戻し率、未収残高など)を追えるため、運賃や契約の見直しに直結します。

⑥車両管理・乗務員管理・給与管理機能

車両稼働や整備履歴、乗務員の勤怠・拘束時間・付帯作業を一元化し、請求・傭車・給与へ正しく連動させます。法令遵守を支えつつ、入力の重複やミスを減らし、現場と経理の生産性を高めます。

(4)システムのタイプと導入形態

運送業の請求書システムは、①導入形態(クラウド型/オンプレミス型)と、②機能範囲(請求管理特化/総合管理)の2軸で検討するのが分かりやすいです。自社の課題(運賃計算の複雑さ、拠点数、基幹連携、セキュリティ要件)に照らして最適解を選びます。

クラウド型 vs オンプレミス型

タイプ特徴向いているケース注意点
クラウド型初期費用を抑え、法改正へのアップデートが迅速。場所を問わず利用可能です。早く立ち上げたい/複数拠点・在宅併用/インボイス・電帳法対応を自動で追従したい個社特有の大規模カスタマイズには制約が出る場合があります。
オンプレミス型個別要件に合わせたカスタマイズ性が高いです。既存基幹との密結合が必須/閉域・オフライン要件が厳格導入・保守コストやアップデート運用の負荷が高くなりがちです。

請求管理特化型 vs 総合管理型

タイプ主要範囲強み向いているケース
請求管理特化型請求作成・送付・入金消込・督促シンプルで導入が容易、既存配車/会計とつなぎやすいです。小規模~中規模/配車や会計は既存システムを活かしたい
総合管理型配車・運行・車両/乗務員・傭車精算~請求まで運賃計算~請求まで一気通貫。二重入力を排し、全体最適が可能です。共同配送や多拠点運用、運賃ロジックが複雑、将来の統合管理を見据える
選定のコツ
  • 「法改正を自動追従」「短期導入」が重要ならクラウド型が有利です。
  • 「基幹と深い個別連携」「特殊帳票」が最優先ならオンプレミス型も検討します。
  • 「請求だけ改善」か「配車~請求の全体最適」かで、特化型/総合管理型を選びます。
  • 将来の拡張(拠点追加・API連携・SLA)を前提に、契約形態と費用(TCO)を確認します。

(5)料金相場と費用対効果

運送業向け請求書システムの費用は「初期設定/データ移行」「月額利用(ユーザー数・拠点数・機能)」「オプション(郵送代行・AI/OCR・API・タイムスタンプ等)」で構成されます。自社の件数・拠点・運賃ロジックに対して過不足のないプランを選び、TCO(総保有コスト)で比較することが大切です。

初期費用、月額費用、オプション費用

区分目安レンジ(例)代表的な内訳・注意点
初期費用0~150万円初期設定、運賃表・単価・帳票レイアウト移行、研修。総合管理型や個別開発で増加しやすいです。
月額費用数千円~30万円超請求特化クラウドは低~中価格、配車~請求の総合管理は中~高価格。ユーザー/拠点課金に注意します。
オプション従量/定額併用郵送代行、AI/OCR、API・IP制限、タイムスタンプ/署名、追加ストレージ、SLA、個別帳票など。

※上記は一般的な目安です。要件・データ移行量・サポート範囲で大きく変動します。

費用対効果の考え方(簡易モデル)

  • 郵送・印刷コスト削減:例)請求500通/月のうち80%を電子化、1通あたり200円削減 → 400通×200円=8万円/月削減。
  • 作業時間削減:1通あたり5分短縮×500通=約41.7時間/月削減。時給2,000円換算で約8.3万円/月の人件費相当効果。
  • 回収の前倒し:回収サイト3日短縮、月商3,000万円の場合、約300万円の資金繰り改善(利息・与信余力に寄与)。
  • エラー再処理の減少:差戻し・二重計上の削減は定量化し、追加労務・郵送再発行の実費も含めて算定します。

上記例では、郵送8万円+工数8.3万円=約16.3万円/月の改善に対し、月額5万円ならネットで約11万円/月の効果が見込めます。自社の「通数・工数・郵送単価・誤り件数・回収サイト」を実測し、導入前後でKPI(リードタイム、差戻し率、未収残、郵送費)を比較すると投資対効果を明確にできます。

(6)サポート体制と保守サービス

導入後に安定運用できるかは、サポートと保守の質で決まります。問い合わせ窓口(電話/メール/チャット)の有無と対応時間、初動(一次応答)と解決までの目標時間、障害時のエスカレーション、そして法改正や機能追加のアップデート方針を必ず確認します。月末・締日前の増員対応や、配車・日報連携の不具合切り分け支援、教育・マニュアル整備まで含めて伴走できる体制が理想です。

確認ポイント具体例期待効果
受付・対応時間電話/チャット平日9–18時、P1は24/7締日前のトラブルでも迅速に収束します。
初動/解決SLA一次応答30分、暫定対処4時間、恒久対処翌営業日現場停止リスクを最小化できます。
エスカレーション技術/運用/法対応の責任分担と連絡網迷子にならず解決まで進めます。
アップデート/保守インボイス・電帳法改正の自動反映、計画停止の事前告知法対応と稼働を両立できます。
教育・資料役割別トレーニング、動画/QRリファレンス定着が早まり問い合わせが減ります。
データ保護自動バックアップ、RPO/RTO、WORM相当、監査ログ事故・監査に強い運用ができます。
障害公開ステータスページ、事後報告(原因/再発防止)透明性と改善が担保されます。
担当体制CSM/定例レビュー(KPI/改善計画)継続的に費用対効果を高められます。

上記を契約前にサービスレベル合意(SLA/サポート範囲)として文書化し、月次のKPIレビュー(リードタイム、差戻し率、未収残、問い合わせ件数)とセットで運用すると、長期的な安定稼働と改善が進みます。

4.運送業向け請求書システム導入の進め方

システム導入は、単にツールを導入するだけでなく、業務プロセス全体の見直しと組織的な取り組みが必要です。成功のためには、計画的かつ段階的に進めることが重要となります。ここでは、運送業向け請求書システム導入の進め方について解説します。

(1)自社の課題とニーズの明確化

システム導入を成功させるには、まず自社の課題を正確に把握し、数値で可視化することが重要です。請求リードタイムや差戻し率、請求漏れ件数、入金消込にかかる時間などをKPIとして設定すれば、改善目標が明確になります。さらに、運賃ロジックや会計連携といった業務要件と、権限管理やサポート体制といった非機能要件を整理し、Must/Wantに分けて優先度を決めることで、システム選定がスムーズになります。

課題・要件の整理表

項目内容の例
KPI(現状課題の数値化)請求リードタイム、差戻し率、請求漏れ件数、未収残高、郵送・印刷コスト、担当者工数
業務要件運賃ロジック(距離×重量、付帯作業、共同配送按分、傭車、再請求)、配車・デジタコ・会計との連携、インボイス・電帳法対応、承認フロー、荷主別レイアウト
非機能要件権限管理、監査ログ、SLA、サポート体制
導入効果の目標例3か月でリードタイム50%短縮、郵送費80%削減、回収サイト3日短縮
追加確認事項既存データ移行可否(取引先・単価・運賃表・テンプレ)、現場・経理・営業の利用範囲

(2)複数システムの比較検討とデモンストレーション

候補を3~5社に絞り、機能・連携・運用・コストを同一条件で比較することが重要です。要件定義シートを評価表に変換し、配点付きスコアリングを行えば、定性的な印象に流されず客観的に判断できます。デモンストレーションでは実データを使い、共同配送や傭車精算など“つまずきやすい場面”を再現して確認することがポイントです。

比較・検証のチェック項目

項目確認内容
評価方法要件定義シートを評価表化し、配点方式(Mustは減点)でスコアリング
デモの内容実データ(運賃表・配車/日報・請求レイアウト)を用いて検証。共同配送按分、傭車精算、再請求、適格返還請求書、電帳法証跡などをシナリオ化
UI/UX現場担当者による実操作で、入力手数・例外処理・承認フローの手戻りを計測
連携と運用API/CSV連携の実装難度、データ移行方針、SLA・障害対応、教育/サポート体制(一次応答時間・費用)
セキュリティ権限設定、監査ログ、IP制限など
将来性機能拡張やロードマップの確認
コスト/効果検証TCO(初期・月額・郵送代行・オプション・追加開発)と効果見込(リードタイム短縮、差戻し削減、郵送費削減、回収サイト短縮)をもとにROI試算
PoC1~3か月でKPI達成可否を検証

(3) 導入計画の策定と実行

システム導入は、段階ごとに責任と役割を明確化し、リスクに備えながら進めることが重要です。要件凍結から本番稼働までのプロセスをマイルストーン化し、RACIで担当を定義することで、現場・経理・IT・ベンダーが連携しやすくなります。

導入計画のステップと確認項目

ステップ主な作業内容担当/責任
要件凍結要件定義シートを最終化し、Must/Want・KPIを確定現場・経理・IT・ベンダー(共同承認)
設定・移行準備取引先・荷主・運賃表・付帯料金・傭車・税区分・登録番号・帳票レイアウトなど移行対象を洗い出し、サンプル検証・受入基準を設定IT・ベンダー
並行稼働(1~2締日)配車/日報連携、インボイス項目、電帳法検索・証跡、メール送信ドメイン、郵送代行を確認現場・経理
本番稼働(ゴーライブ)権限別マニュアル・クイックリファレンスを用意。初週はベンダー常駐または即応窓口を確保ベンダー・現場管理者
定着化/評価KPI(請求リードタイム・差戻し率・請求漏れ・入金消込時間)を数値で評価し、ゴーライブ基準を確認経理・経営層
リスク管理切り戻し手順、バックアップ/復旧、障害連絡網、SLA、変更凍結期間を整備。予算・工数バッファを確保IT・ベンダー

(4)社内への周知と運用体制の構築

運送業 請求書システムの狙い、変わる業務フロー、役割分担をまず全社で共有します。部門横断で小さく始めて素早く定着させることが重要です。

  • 周知:経営メッセージとゴール、変更点の一覧、切替日と影響範囲を社内ポータルで告知します。
  • 研修:配車・現場・経理・営業・管理者の役割別に操作研修を行い、録画とクイックリファレンスを配布します。ドライバーは日報アプリ中心の短時間トレーニングを行います。
  • マニュアル:請求フロー、インボイス項目、電帳法の保存手順、例外処理を図解化し、検索しやすく管理します。
  • 体制:運用責任者、マスタ管理者(荷主・運賃・税区分)、承認者、ヘルプデスクをRACIで明確化します。問い合わせ窓口とSLA、エスカレーション表を用意します。
  • ガバナンス:権限と承認フロー、監査ログ、メール送信ドメイン設定やSPF・DKIM、テンプレ変更の申請手順を定めます。
  • 定着と改善:初月と3か月後にKPI(リードタイム、差戻し率、請求漏れ、入金消込時間)をレビューし、ベンダーと定例で改善計画を回します。障害時の切り戻し手順も事前に整備します。

5.まとめ

運送業向けの請求書システムは、請求業務の効率化、正確性向上、そして法改正への対応に不可欠なツールです。この記事では、多数のシステムを比較し、選定ポイントや導入ステップを解説しました。自社の課題を明確にし、運賃計算連動、インボイス/電帳法対応、機能、費用対効果、サポート体制などを総合的に比較検討することで、最適なシステムを選び、円滑な導入と運用を実現しましょう。

監修

企業間物流に詳しい!運行管理のプロ監修「運行管理ナビ」編集部です。

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