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運送業の人手不足を止めずに回す対策と優先順位費用対効果の全体解説

運送業の人手不足は、長距離便の維持、既存社員の負担増、コスト高騰が同時進行する構造的な問題です。
この記事では、短期・中期・長期に分けた対策ロードマップと、DX・自動化、荷主交渉を含む現実的な打ち手の優先順位を解説します。

目次

1.運送業の人手不足対策の全体像

運送業の人手不足対策は、現場・経営・荷主を揃えることで効果が定着し、改善が逆戻りしない体制が実現します。
ここからは、運送業の人手不足対策の全体像を解説します。

(1)現場・経営・荷主の3視点で考える改善アプローチ

運送業の人手不足は現場・経営・荷主の3視点が複雑に絡む構造的課題であり、どれか一つの改善に偏ると効果が一時的になり、離職や物流停止リスクが再燃しやすいという特徴があります。

国土交通省の総合物流施策大綱においても、サプライチェーン全体の最適化と荷主との取引環境改善が重点施策として位置づけられており、現場・経営・荷主が連携した取り組みが求められています。
現場では荷待ち削減や分業化など日々のオペレーション負担を抑える改善、経営ではDX・制度設計を通じて属人化を解消し持続的稼働を可能にする仕組みづくりが求められます。
また、荷主との協働改善(納品条件・積込環境・適正運賃の是正)は、物流の継続性と品質維持の前提となります。

視点主な改善策期待できる効果
現場荷待ち削減/分業化/安全・教育強化拘束時間削減、事故・トラブル減、定着率向上
経営DX・自動化/人員配置・制度設計の最適化生産性向上、属人化解消、投資回収性の向上
荷主適正運賃交渉/条件是正/積込環境・予約制導入安定供給、クレーム減、長期取引・収益の維持

運送業の人手不足は現場・経営・荷主を同時に進めることで、改善が逆戻りしない強い運営体制を構築できます。

(2)優先順位を決める基準

運送業の人手不足対策はどの施策を選ぶかよりもどの順番で進めるかが成果を大きく左右します。
すべてを同時に進める必要はなく、短期・中期・長期の改善レイヤーを踏まえたうえで、最適な優先順位を定めることが現場混乱を防ぐ要素になります。

判断軸判定ポイント優先されやすい施策例
即効性遅延・減便・拘束増が発生しているか荷待ち削減、分業化、予約制、派遣・代行の限定活用
費用費用対効果/投資回収期間小額改善 → DX・設備の中規模投資 → 大型投資の順で段階導入
自社の状況車型・路線・荷主構成・人員状況路線最適化・中継導入・納品条件是正・荷主改善交渉 など

実務上は、遅延や減便といった影響が出ているかどうかが優先順位判断の起点となるため、まずは荷待ちや積込環境など即効性の高い改善から着手されるケースが多く見られます。

施策自体の善し悪しではなく、順序設計が成果を左右するという前提を共有することが重要です。

2.運送業の人手不足はなぜ起きている

ここからは、人手不足を生み出す3つの主要要因を整理し、課題の全体像を明確にして解説していきます。

(1)人口減・高齢化・採用難

引用:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001514680.pdf?utm_source=chatgpt.com

運送業の人手不足の背景には、日本全体の生産年齢人口の減少とドライバーの高齢化があります。トラックドライバーの平均年齢は全産業より高く、労働力人口の減少が続いていることが示されています。
道路貨物運送業の運転従事者数はこの20年で20万人以上減少し、平均年齢も全産業より3~6歳高い水準です。
長時間労働などの負荷から人材確保は難しく、有効求人倍率も全産業平均の約2倍と慢性的な不足が続いています。
また、将来推計では、2028年度に約27.8万人のドライバー不足が見込まれており、採用強化だけでは解消できない構造的課題であることを認識する必要があります。

(2)荷待ち・長時間労働・低単価案件

引用:https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/4b046f33-a187-4bb1-be6d-ea965e07dee1/c580d671/20241223_meeting_mobility-working-group_outline_02.pdf

国土交通省の統計によれば、トラック運送業は全産業平均より労働時間が約2割長い一方、年間賃金は5〜15%低く、有効求人倍率は約2倍と、人手不足が深刻化しています。
その背景には、荷待ち・荷役・付帯作業を含む拘束時間の長さと、低単価運賃が是正されてこなかった収益構造があります。

特に荷待ち時間に加えて、検品・梱包・横持ちなどの付帯作業が運送業務の一部として発生しているケースも多く、こうした作業が拘束時間の長期化と収益性の低下を招いています。
その結果、稼働に充てられる時間が減り、収入が労働負荷に見合わない状況が離職・採用難を加速させています。
こうした課題に対し、政府は働き方改革関連法による時間外労働(年960時間)規制、改善基準告示の見直し、改正物流法・新物効法による荷待ち・荷役削減、標準的運賃の引上げ、トラック・物流Gメンによる是正指導といった施策を進めており、業界の拘束時間と不適切取引の改善が求められる段階に入っています。

(3)2024年問題による労働時間規制と長距離便縮小

引用:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001888325.pdf?utm_source=chatgpt.com

2024年問題により時間外労働の上限規制が強化され、従来の運行設計では長距離便の維持が困難になっています。
これに伴い、ドライバーの稼働時間減少 → 便数減 → 輸送力不足 → 一人当たりの負荷増 → 離職・採用難という悪循環が生じやすい状況です。
本来は荷主側の依頼内容・納品時間・積込み条件の見直しが必要ですが、改善スピードが追いつかず摩擦が発生しているケースも少なくありません。

中継輸送やモーダルシフトなど対応策はあるものの、拠点整備・調整コスト・荷主との合意形成に時間がかかり、導入が進みにくい現状があります。
さらに、燃料費・人件費・車両費・整備費・外部委託費の高騰が収益を圧迫し、採用・設備・DXへの投資余力を削っている点も深刻です。
結果として規制対応のために改善が必要なのに、その改善に必要な原資が不足するという矛盾を抱え、現場の疲弊が加速しやすい構造となっています。

3.人手不足の放置による物流現場への影響

運送業の人手不足を放置すると、課題は自然解消されるどころか加速度的に悪化します。

ここからは、人手不足が物流現場と経営に具体的にどのような影響を与えるのか、5つの観点から解説していきます。

(1)長距離等の持続が困難

長距離便の維持が難しくなることは、現場課題ではなく経営リスクそのものです。
稼働率が下がると、減便・遅延・路線縮小が連鎖し、オペレーションの混乱に加えて、売上・粗利・固定費回収率の悪化を通じて経営基盤を直撃します。

国土交通省の試算では、2024年問題への対策を講じない場合、2024年度に約14%、2030年度には約34%の輸送能力不足が生じる見込みであり、特に長距離輸送での影響が深刻化すると予測されています。

特に高単価で安定していた長距離案件を失うと、利益水準とキャッシュ創出力が同時に低下し、投資余力の不足に直結します。

影響領域何が起きるか結果
稼働減便・遅延・路線縮小オペレーション混乱
収益固定費回収率低下粗利悪化・資金余力低下
取引信頼低下・単価下落案件縮小・競争力低下

稼働確保・収益改善・荷主調整を同時並行で進める早期対応が不可欠です。

(2)現場負担増による離職者の増加

人手不足が続くと、一人あたりの担当領域が増え、拘束時間・体力負荷・精神的ストレスが蓄積します。
その状態で遅延や品質低下が起きるとクレーム対応・再配送が加わり、労働時間がさらに延びる悪循環が発生します。
最も負担が集中しやすいのは多能工・経験者で、走行・積込み・調整・新人指導を同時に求められることで疲弊し、退職につながりやすくなります。

厚生労働省「雇用動向調査」では、運輸業・郵便業の離職率は毎年全産業平均を上回る傾向があり、1日あたりの平均拘束時間も約13時間と長時間に及ぶため、新人育成に充てる時間的・体力的余裕が確保できず、OJTも中途半端になりがちです。結果的にベテランへの依存がさらに強まる悪循環が生じています。

影響領域現場で起きること結果
労働負荷拘束時間増・疲労蓄積事故・エラーの増加
業務量遅延・再配送・クレーム増加労働時間拡大・悪循環
人材経験者の負担集中・離職戦力喪失・教育力低下

離職は自然減ではなく構造的に悪化するため、早期に負担軽減と教育体制の補強を行うことが不可欠です。

(3)顧客満足度低下

人手不足が続くと配送品質の維持が難しくなり、遅延・誤配送・対応品質のばらつきが増え、顧客満足度の低下が最初に表面化します。
荷主側では欠品リスクや追加作業が生じ、ストレスと不信感が蓄積するため、クレーム増加や契約更新見送りなど取引面の悪影響に直結します。

国土交通省の総合物流施策大綱においても、サプライチェーン全体の最適化が重点施策として位置づけられており、物流品質の低下は荷主を含む関係者全体に影響が波及することが示されています。

物流はリピート依存度が高いため、一度評価が下がると単価下落・案件縮小・紹介数減少へ波及し、中長期の収益基盤を揺るがします。

影響領域現場で起きること結果
品質遅延・誤配送・対応ばらつきクレーム・更新見送り
荷主負担欠品・追加作業・調整増加不信感 → 取引縮小
収益改善投資の先送り単価下落・顧客離れ

顧客満足度低下は現場の問題ではなく、将来の売上・競争力・ブランド価値を左右する経営リスクとして早期の対応が必要です。

(4)投資停滞による競争力の低下と世代交代リスク

人手不足と稼働低下で粗利が圧迫されると、本来は競争力を支える採用・教育・DX・車両更新・設備改善などの投資が後回しになりやすくなります。

特にトラックドライバーの平均年齢は大型で約49歳と全産業平均より約6歳高く、40歳以上が約7割を占める高齢化が進んでおり、今後10年以内に大量退職のタイミングを迎える可能性があります。
教育投資不足によりベテラン依存が深まれば、退職・高齢化のタイミングで一気に戦力が喪失する世代交代リスクも顕在化します。

投資停滞の領域発生する事象経営への結果
車両・設備老朽化・事故リスク・整備費増収益悪化・採用難
DX・効率化共同配送・モーダルシフトに乗り遅れる案件獲得力低下・単価競争
教育・育成ベテラン依存・技能伝承の停滞世代交代時に戦力喪失

厳しい状況下でも投資の選択と集中を行わない場合、競争力・安全性・事業継続性が同時に損なわれる点が最大のリスクです。

(5)取引条件の主導権喪失と価格交渉力の低下

人手不足により稼働が不安定になると、物流事業者は「案件を断れない」「交渉で関係悪化を避けたい」という状況に陥りやすくなり、取引条件の主導権が荷主側へ移ります。
これにより、単価改定・待機料金・付帯作業料・燃料サーチャージといった適正条件を提示できず、採算が悪い案件が固定化します。

国土交通省が標準的な運賃制度やトラックGメンによる是正指導を進めているものの、実際には運賃転嫁が進まず、適正運賃を収受できていない事業者が多く存在しています。
さらに交渉力が弱まるほど、共同配送・積込環境改善・バース予約制などの改善提案も通らなくなり、現場負荷の固定化と遅延リスクが高まります。

主導権が失われる要因起きること経営への影響
稼働不安で案件を断れない単価改定・待機料を求められない低採算案件の固定化
荷主依存度の上昇改善提案が受け入れられない現場負担・遅延リスクの拡大
投資余力の不足品質・対応力が下がる信頼低下 → 単価下落 → 競争力低下

結果として、単価が維持できず投資余力が失われ、品質低下 → 信頼低下 → 価格下落の悪循環に陥ります。

4.短期・中期・長期で実行すべき人手不足対策ロードマップ

運送業の人手不足対策は、思いついた施策を同時並行で進めるのではなく、短期・中期・長期の3段階で段階的に実行することが成果を左右します。
ここでは、優先順位付けの正否が実行結果を大きく変えるため、本章では各フェーズの最適施策と進め方を解説します。

(1)短期(0〜3ヶ月)

短期フェーズでは、採用や組織改革よりも可動率の維持を最優先とし、遅延・減便・稼働停止を防ぐことが中心課題となります。
この期間は即効性の高い打ち手に集中し、現場負荷のピークを下げて崩壊を回避することが目的です。

実際、1運行あたりの荷待ち時間は平均約1時間30分に及び、2時間以上かかるケースも多く存在するため、荷待ち削減は拘束時間短縮に即効性が高く、短期的な稼働改善に直結します。
具体的には、予約制導入・書類事前共有・積込環境の調整による荷待ち削減、運行指示の改善、分業化による付帯作業の切り分けが有効です。
また、派遣・代行は繁忙期や特殊車両など限定条件で補完的に活用することで、コスト増を抑えながら稼働を確保できます。
重要なのは採用を急ぐ前に、今いる戦力を失わないことです。

(2)中期(3〜12ヶ月)

中期フェーズでは、既存人員でも回り続ける仕組みを構築することが目的となります。
短期施策で可動率を安定させた状態を土台に、現場負荷の構造的な削減と生産性向上へ軸足を移します。
中心施策はDXであり、配車・運行管理・勤怠・予約・請求などの反復業務を自動化し、情報共有を一元化することで属人化と手作業を排除できます。

国の総合物流施策大綱においても、物流DX・標準化の推進が生産性向上の柱として位置づけられており、AI・IoTを活用した配車最適化や帰り便活用の仕組み化が、拘束時間当たりの収益性向上に直結すると示されています。
さらに、ルート最適化・積載効率改善・帰り便活用により拘束時間当たりの収益性を高め、稼働と利益の両立を図ります。
中期では投資効果が大きく、再現性が高く、人手依存を下げられる施策から優先的に取り入れることで、長期フェーズの定着・組織強化につながります。

(3)長期(1年〜)

長期フェーズの目的は、採用人数の増減に依存せずに人が定着し続ける組織をつくることです。
短期で稼働を安定させ、中期で仕組み化を整えたうえで、長期では辞めにくく、戻りたくなる環境への投資に比重を移します。
重点となるのは、勤務制度・評価制度・教育体制の3領域です。勤務制度ではライフステージに応じた柔軟な働き方を設計し、評価制度では安全・生産性・スキルなどを多軸で評価して努力が正しく報われる状態をつくります。

実際、トラック運送業の離職理由として「労働時間・休日の少なさ」「給与水準の低さ」が上位を占めており、勤務制度の柔軟化や評価制度の多様化が、離職防止と若年層の定着率向上に直結することが示されています。
教育体制では新人育成・研修・マニュアルの体系化により、人の入れ替わりがあっても品質と安全を維持できる組織を実現します。
長期施策が整うほど離職防止・採用力向上・教育コスト削減が同時に進み、人手不足に左右されない経営基盤が確立されます。

(4)優先順位の決め方

人手不足対策は、重要な施策をどの順番で実行するかによって成果が大きく変わります。
全てを同時に進めると現場負担が増加し、DXや採用に投資しても改善が定着しにくくなるため、施策の優先順位を明確にすることが欠かせません。

国土交通省の最新資料においても、施策の優先順位を明確にし、即効性の高い施策から段階的に進めることが、改善の定着と現場負担の軽減に有効であると示されています。
遅延・減便が生じている企業は、まず短期施策で可動率を安定させたうえで、中期のDX・最適化、長期の勤務制度・教育体制へと段階的に移行することが最も再現性の高い進め方です。

判断軸重点ポイント優先されやすい施策例
① 即効性遅延・減便・稼働不安の有無荷待ち削減/分業化/派遣・代行の限定活用
② 費用の段階小額→中規模→大型投資の順で無理なく進められるかオペ改善 → DX → マテハン・設備更新
③ 自社適合性路線・車型・荷姿・荷主構造・人員構成との相性積載改善/帰り便活用/予約制導入

優先順位が可視化されるほど決裁・実行・定着が進み、費用増と現場疲弊の悪循環を断ち切る起点になります。

5.荷主交渉で現場負担を軽減する方法

ここからは、現場負担を減らすための具体的な荷主交渉の手順と実行ポイントを解説します。

(1)荷待ち・積込時間・付帯作業を見える化する仕組みとデータ収集方法

荷主交渉を進めるうえで最も効果があるのは負担の客観データの提示です。
感覚的な訴えでは改善につながりにくく、荷待ち・積込・付帯作業・拘束時間などを継続的に記録し、数値で示すことが交渉の基盤となります。
そのため、点呼アプリ・運行管理システム・入力負担の少ない日報フォーマットを組み合わせ、記録を仕組み化することが重要です。

国土交通省の働き方改革推進においても、荷待ち時間や付帯作業の記録・可視化が、荷主との協議を進めるうえで不可欠とされています。
収集データは誰が・いつ・どこで・何に時間がかかっているかを一目で把握できる形に整理し、改善の論点を明確化します。

ステップ目的記載内容の例
① 現状の事実主観排除荷待ち◯分・積込人数・付帯作業時間
② 発生影響緊急性提示遅延・追加工数・燃料/人件費増
③ 理想の状態ゴール共有拘束削減・安定供給・クレーム減
④ 改善案荷主のメリット提示予約制・書類共有・積込人数調整

目的は対立ではなく、事実に基づいた協議で双方にメリットのあるオペレーションをつくることにあります。

(2)2024年問題を踏まえた適正運賃交渉

2024年問題を踏まえた適正運賃交渉は、規制下でも安定して配送を続けるための条件見直しとして位置付けることが重要です。
拘束時間規制で稼働可能時間が減るなか、荷待ちや付帯作業、納品条件がそのままでは、稼働低下から遅延・品質低下が生じ、最終的には欠品や追加コストという形で荷主側の不利益が拡大します。
そのため交渉では、費用増加の理由だけでなく、改善後の運行イメージと荷主側のメリットをセットで提示することが不可欠です。

国土交通省は2024年3月に標準的な運賃を改定し、燃料費・人件費の高騰を反映した適正運賃の収受を推進しており、荷主との交渉においてこの基準を活用することが有効です

交渉のキー項目対応例荷主側のメリット
荷待ち・付帯作業予約制導入、書類の事前共有遅延防止、追加コスト・混乱の抑制
納品時間帯・頻度時間帯の再設計、頻度の見直し生産計画の安定、在庫・人員配置の最適化
積込条件・作業人数パレット化、必要人数の調整荷役時間短縮、構内オペレーションの平準化
運賃・料金体系標準的運賃の活用、待機料金・付帯作業料金の明示安定供給の維持、長期的な取引継続

コスト増を訴えるのではなく改善により安定供給と品質を維持できるというメッセージに置き換えることで、対立を避けつつ、長期的な協力関係を維持しやすくなります。

(3)荷主・協力会社と協働改善を進める

2024年問題への対応で成果を左右するのは、荷主・協力会社と値上げ交渉ではなく協働による現場改善を進める姿勢です。
単価調整のみでは人手不足の根本解決にはつながらず、拘束時間・積込条件・納品時間帯・情報共有の改善をセットで行うほど、物流の継続性と品質維持が実現します。

国土交通省の総合物流施策大綱においても、荷主と物流事業者の協働による業務効率化・標準化の推進が重点施策として位置づけられています。

改善施策物流事業者の効果荷主側の効果
予約制・パレット化拘束削減・遅延防止生産計画の安定
積込人数調整作業時間短縮荷役効率向上
書類事前共有ミス・手戻り防止受付混雑の緩和

提案は相手への要求ではなく双方の利益を守る改善として提示すると、協力を得やすくなります。

6.まとめ

運送業の人手不足は、人口減・長時間労働・2024年問題が重なる構造的課題です。
自社の規模や路線に合う施策から優先順位を付けて実行し、配送を止めない体制づくりに役立ててください。

監修

10年にわたる物流会社での事務経験を持ち、現場実務に精通。2024年に貨物運行管理者資格を取得し、法令遵守と実務の両面から運行管理を支援しています。

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