トラックドライバーの働き方改革関連法の改正による労働時間の見直しや人手不足の深刻化などを背景に2024年問題への対応が物流業界の課題となっています。
2024年問題への対応には、トラックの輸送効率を向上させることが欠かせません。輸送効率が向上すれば、ドライバーの負担軽減や物流コストの削減、さらに環境負荷の低減にもつながります。
本記事では、トラックの輸送効率を高める方法を中心に、改善事例等について解説します。
1.トラックの積載効率とは?計算方法についても解説
積載効率を算出する際は、荷物の重さや内容積、使用面積が基準として使われます。
積載効率は、次の計算式で表します。
積載効率(%)=積載重量 ÷ 最大積載重量 × 100
たとえば、2トントラックに1.5トンの荷物を積んだ場合、積載効率は75%です。
積載効率の数値が高ければ高いほど、輸送効率が良いとされています。ただしあくまで目安のひとつであって、絶対的な結論ではありません。
トラックの積載効率を参考に、経営判断の指標に役立てられます。
トラックの積載率に関しては、以下の記事を参考にしてください。
(1)積載効率と輸送効率の違い
積載効率と輸送効率の違いは、それぞれの評価範囲と目的です。
積載効率は荷台の活用度を示す部分的な指標であるのに対し、輸送効率は輸送全体の運用を俯瞰的に評価する指標です。
積載効率と輸送効率の評価範囲と目的は、以下のようになります。
評価範囲 | 目的 | |
---|---|---|
積載効率 | トラック1台における荷台スペースや積載量の有効活用度 | スペースや重量の無駄を減らし、単位輸送あたりの効率を向上 |
輸送効率 | 輸送業務全体を対象に、時間やコストなどを総合的に評価 | 輸送全体の効率化によるコスト削減や環境負荷の軽減 |
積載効率と輸送効率は、どちらも物流業務全体の最適化を図るために役立てられます。
単位輸送あたりのコストを削減しつつ、輸送ルートやスケジュールを効率化することで運行全体の時間短縮や燃料消費の削減を実現できるでしょう。
(2)トラックの生産性向上に向けた指標
国土交通省では「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」が公開されており、4つの指標を数値化し課題を改善することでトラック輸送の生産性向上に役立てられます。それぞれの指標とその詳細は、以下のとおりです。
指標 | 詳細 |
---|---|
実働率 | トラックの稼働時間を最大化し、非稼働時間(待機時間や休車時間など)を削減する |
実車率(時間あたり) | 積卸作業の効率化や荷待ち時間の短縮により、トラックの実稼働効率を向上させる |
実車率(距離あたり) | 配車計画の改善や共同配送の活用により、空車走行を減らし、走行距離の効率化を図る |
積載率 | 荷台スペースや重量制限の活用度を高め、無駄を削減する |
上記の指標を活用することで、トラック輸送の生産性向上を図ることができます。
(3)輸送の効率化が求められる背景
物流業界では、ネット通販の急速な拡大や消費者の購買スタイルの多様化により、輸送需要が年々増加しています。一方で、少子高齢化による労働力不足が深刻化し、さらにトラックドライバーの確保が難しい状況が続いています。
厚生労働省と国土交通省によるトラック輸送状況の実態調査結果によると、集計対象となった運送事業者のうち1,239社のうち68.8%がドライバー不足と回答しています。
保有車両が多いほどトラックドライバー不足が顕著であり、101台以上保有している運送事業者においては1社平均9.7人のドライバーが不足しています。
ドライバー不足の状態が続くと、物流全体の供給能力が逼迫し、配送遅延やコスト増加が日常化する恐れがあります。
また、企業間競争の激化や輸送需要のさらなる増加に対応できず、経済活動全体に悪影響を及ぼす可能性が高まるでしょう。
しかし、こうした状況に対し、システムによる配車計画の最適化や共同配送による効率的な荷物運搬などの取り組みを推し進めることでドライバー不足という課題を克服し、持続可能な物流体制を構築できます。
自社にあった輸送の効率化を進めることで、企業はコスト削減だけでなく、環境負荷の軽減や顧客満足度の向上といった多くのメリットを得ることができるでしょう。
2.トラックの輸送効率を向上させるメリット
ここでは、トラックの輸送効率を向上させるメリットを解説します。
(1)コスト削減
輸送効率を向上させることで、以下のような具体的なコスト削減効果が得られます。
燃料費の削減 | トラックの走行距離を短縮し、燃料消費を削減 |
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人件費の効率化 | 無駄な稼働の削減により、ドライバーの拘束時間を短縮 |
車両メンテナンス費の抑制 | 車両の過剰な使用を防ぎ、メンテナンスコストを抑える |
輸送効率を高めることで、燃料費や人件費、車両維持費など、物流業務の主要コストを大幅に削減させ、利益率を向上させることで安定した収益基盤を構築できます。
削減したコストを活用し、車両の更新やITツールの導入といった新たな成長投資に充てることで、さらなる競争力強化が期待できます。
トラックの輸送効率を高める取り組みは、単なるコスト削減だけでなく、企業の成長戦略を支える重要な要素となるでしょう。
(2)労働環境の改善
輸送効率の向上により、1回の運行でより多くの荷物を効率的に配送できるようになることで、必要な運行回数を減らすことが可能です。
運行回数の減少により、労働環境の改善を図ることができれば、以下の効果も期待できます。
人員不足の解消 | ドライバー離職率の低下により、人材不足を緩和する |
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若手ドライバーの確保 | トラックドライバー職の魅力を高めることで、若年層の新規参入を促進する |
業界全体の持続的発展 | 物流業界全体の信頼性や競争力が向上することで、持続的な発展が可能となる |
輸送効率向上による労働環境改善は、ドライバーの負担軽減のみにとどまらず、業界全体の課題解決や未来への成長基盤づくりにもつながります。
(3)生産性の向上
細分化された配送や荷受け作業は、物流業務だけでなく、関連部門の業務負担を増やす要因となり得ますが、トラックの積載効率を高めることで、企業全体の生産性を向上させる以下の効果が見込めます。
ドライバーの負担軽減 | 長時間労働や無駄な移動を削減 |
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関連部門の業務効率化 | 事務スタッフ等の調整業務を簡素化 |
全社的なプロセス最適化 | 企業全体の業務フローに波及し、部門間の連携を強化 |
輸送効率の向上を図ることで、トラックドライバーを起点に幅広い業務効率化を図ることができるでしょう。
3.トラックの輸送効率が低下している原因
経済産業省の「令和4年度産業経済研究委託事業「物流の2024年問題」等に対応した物流効率化推進に関する調査研究」によると、2016年以降の積載効率は40%以下の低い水準で推移しています。
ここからは、年々トラックの輸送効率が低下している具体的な原因について解説します。
(1)物流の2024年問題の影響
2024年問題とは、働き方改革関連法の改正により、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働が年間960時間までに制限されることに伴い、輸配送のコスト増加や輸送力不足が懸念されている問題です。
長時間労働の是正等を目的としていますが、ドライバーの稼働時間が短縮されることで追加のトラックや人員確保が必要なため、輸送効率の低下や物流全体の供給能力の逼迫が予想されています。
①ドライバーの時間外労働時間等の上限規制
2024年4月から、働き方改革関連法に基づく労働基準法の改正により、トラックドライバーの時間外労働時間の上限規制が強化されます。
この上限規制は、大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月からすでに施行されていましたが、建設業や自動車運転の業務など一部の業務については5年間の猶予が与えられていました。そのため、トラックドライバーには2024年4月から適用される形となります。
猶予期間中と猶予期間後には、以下の違いがあります。
猶予期間中(2024年3月11日まで) | 猶予期間後(2024年4月1日以降) |
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上限規制の適用なし | 特別条項付き36協定締結時、年間の時間外労働の上限が960時間 ただし、他の業界に適用される以下の規制は適用されない ・月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内 ・月45時間を超えられるのは年6か月まで |
他業界に適用される以下の規制は適用されない ・月100時間未満 ・2〜6か月平均80時間以内 ・月45時間超は年6か月まで | 引き続き以下の規制は適用されない ・月100時間未満 ・2〜6か月平均80時間以内 ・月45時間超は年6か月まで |
ドライバーの時間外労働時間が減少すると、必然的に勤務時間全体が短縮されます。
1人のドライバーが運べる荷物の量が減少し、輸送量の減少が物流業者の売上や利益にまで影響を及ぼす可能性があります。
②長距離輸送の制約
労働基準法の改正により、トラックドライバーの1日あたりの拘束時間が13時間までに制限されることが、輸送効率低下の一因となっています。
宿泊を伴う長距離運行の場合には、例外的に週2回まで16時間の拘束が認められていますが、拘束時間等の制限により、1日で対応できる配送距離が従来よりも短縮されることになります。
その結果、同じ輸送量を確保するためには、より多くの車両やドライバーを必要とする状況が生じ、輸送効率がさらに低下する可能性があります。
(2)貨物輸送の少量多頻度化
2014年以降はインターネット通販に代表されるECが普及したことにより、少量の商品を高頻度で注文するユーザーが増えました。少量多頻度化は消費者の利便性が向上する等のメリットがある一方で、トラックの輸送効率にはデメリットがあります。
メリット | ・鮮度の高い商品の配送に適する ・過剰在庫のリスクを軽減できる |
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デメリット | ・配送回数が増え、トラックの積載率が低下する ・トラックを十分に満たせない状態で運行するケースが増加 |
少量多頻度化では配送回数が増えるため、トラックの積載率を十分に満たせないまま運ぶことが増えます。
EC市場が拡大するほど、消費者ニーズが細分化され少量多頻度化が進むため、トラックの輸送効率も低下してしまいます。
(3)時間指定の増加
近年、貨物輸送は少量多頻度化が進み、トラックの輸送効率を低下させる一因となっています。インターネット通販をはじめとするEC市場の普及により、消費者が少量の商品を高頻度で注文する傾向が強まっていることで、以下のような影響があります。
配送回数の増加 | トラックの稼働回数の増加により、時間やコストの負担が増える |
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積載率の低下 | 配送回数が増えることで、トラックの荷台が十分に埋まらない状態で運行するケースが増加する |
EC市場が拡大するほど時間指定等により消費者ニーズは細分化され、少量多頻度化がさらに進むことが予想されます。その結果、輸送効率は一層低下し、物流業界の課題が深刻化する恐れがあります。
(4)ドライバー不足
日本では少子高齢化の進行で労働力人口が減少しており、物流業界においても以下の要因からドライバー人材確保が大きな課題となっています。
厳しい労働条件 | 長時間労働や低賃金、休日が少ない等 |
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働き方改革の影響 | 時間外労働の上限規制による業務量の制限 |
採用の難しさ | ドライバー職への新規参入が低調 |
経済産業省の調査によると、日本国内におけるトラックドライバー人口は2015年から2030年までに3割減少すると予測されています。
トラックドライバー不足が続くと、物流業界全体の供給能力が逼迫し、他の課題と相まってさらなる問題を引き起こす恐れがあります。
①トラックドライバーの高齢化
国土交通省の調査によれば、トラック業界で働くドライバーのうち、45.2%が40〜54歳に集中しており、この割合は全産業と比較して10%以上高い水準にあります。一方で、29歳以下の若者はわずか9.1%にとどまり、全産業の平均と比較しても大きく下回っています。
トラックの運転は体力や集中力を必要とする仕事であり、高齢化が進むと運転業務の継続が難しくなる場合もあります。その結果、現在多くを占める中高年ドライバーが引退することで、人材不足がさらに深刻化し、物流全体の供給能力が大きく低下する恐れがあります。
②運転免許制度の改正
二段階の免許取得が、物流業界への新規参入を難しくし、若者がドライバーとして就業する意欲を削いでいるといわれています。
2017年から新設された準中型免許の影響で、新たに普通免許を取得した人は最大積載量2トンまでの車両しか運転できません。
普通免許の取得と運転可能な車両の条件 | |
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改正後(2017年以降) | 車両総重量:3.5トン未満 最大積載量:2トン未満乗車定員数:10人以下 |
改正前(2007年~2017年) | 車両総重量:5トン未満 最大積載量:3トン未満乗車定員数:10人以下 |
準中型免許の新設は中型トラックを運転する際の知識や技術の習得を促し、交通事故を未然に防ぐことを目的としています。
免許制度改正は交通安全を強化する重要な施策であり、中型トラックの事故を減少させる効果が期待されていますが、物流業界における若者の参入障壁を高めてしまったことでトラックドライバー不足に拍車をかけています。
(5)過疎地での人口減
都会から離れた地方などの過疎地では人口が年々減少しており、これがトラックの輸送効率を下げる原因となっています。
過疎地での配送では配送先が分散している場合が多く、その結果、ある地域に荷物を届けた後、次の配送先まで長距離移動が必要なケースが増えます。
このような状況では、限られた時間内での移動距離が増えるため、1回あたりに運べる貨物量が減少し、トラックの輸送効率が低下してしまいます。
4.トラックの輸送効率を高める方法
ここからは、トラックの輸送効率を向上させる方法を紹介します。
(1)積載率の把握と平準化
積載率を均一に保つことで、一部のトラックに過度な負担がかかる状況を防ぎ、全体の輸送効率の最大化が目指せるでしょう。
積載率の把握と標準化に有効な具体的な取り組みは、以下のとおりです。
運用状況の把握と目標設定 | 自社の現状の運用データを正確に把握し、現実的で達成可能な数値目標を設定する |
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最適な積載率の設定 | 燃料費や配送時間、車両の稼働状況などを考慮し、各トラックに適した積載率を定義する |
均等化のための体制作り | 配車計画の精度向上や荷主間の共同配送の導入などを活用し、稼働率の偏りを解消する |
現状を正確に把握し、積載率の状況を可視化することで、効果的な体制作りを進めることが可能になります。
(2)位置情報や配送状況などを活用する運行管理
位置情報や配送状況を把握することによって、適切な配車計画を作成しやすくなります。具体的な対応として、ドライブレコーダー等によるGPS機能を活用した位置情報の把握が有効です。
GPS機能を配車計画の作成等に活用することで、以下のように輸送効率の向上を目指すことができます。
荷物の集約による効率化 | 荷物を集約により無駄な運行を削減する |
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迅速な緊急対応 | 荷主に近い車両を即時に特定し、緊急配送の依頼が可能 |
配送ルートの最適化 | 位置情報を基に空き車両を有効活用できる |
GPS機能を活用した運行管理の導入により、物流業務全体の見える化が進み、結果として生産性の向上が期待できます。
(3)荷主側との要件調整
荷主側との要件を調整することで、より高い積載効率を目指すことができます。荷主との協力体制を構築する際、以下の具体策が効果的です。
データ共有の推進 | 荷主と物流会社が配送データを共有する |
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ITツールの活用 | 配送管理システムや積載率モニタリングツールを導入する |
説明会や意見交換の実施 | 荷主に物流業界の課題やコスト構造を共有する場を設ける |
たとえば「現在の配送ルートの積載率は平均60%ですが、日程の調整により70%まで改善でき、輸送コストを何%削減可能です」といった具体的な数値を示すことで、荷主が協力のメリットを具体的にイメージしやすくなります。
またすべての要件を一度に緩和してもらうのは難しいため、配送時間の幅や荷物の集約に関する試験運用等のハードルの低い内容から提案し、相手の立場も配慮することで、荷主企業側も受け入れやすくなります。
輸送効率の向上をはじめとする物流効率化は双方にメリットをもたらすため、この共通認識を保ちながら対話を重ねていく必要があります。
(4)共同配送の実施
共同配送とは、複数の運送会社が協力してトラックやコンテナを共有し、効率的な輸送を実現する取り組みを指します。これにより、各社が単独で配送する場合に比べて、輸送効率の向上やコスト削減を図ることが可能です。
共同配送を成功させるための取り組みは、配送エリアの統一や信頼関係の構築等が挙げられます。
共同配送を成功させるための取り組みの例 | |
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配送エリアの統一 | 複数の企業が配送エリアを共有しやすい仕組みを作る |
拠点の連携と共有 | 物流拠点(倉庫や配送センター)を共同で活用する |
荷物の標準化 | 荷物のサイズや積載ルールを標準化する |
信頼関係の構築 | 定期的なミーティングや意見交換の場を設け、課題や改善点を共有する |
たとえば、拠点の連携と共有がスムーズに行えれば荷物の集約等が効率化され、トラックの稼働時間や空車率を改善することができます。
課題や改善点をパートナー企業と共有しながら、柔軟に対応できる体制を整えましょう。
(5)配送システムの利用
配送システムを導入することで、輸送効率を大幅に向上させることが可能です。
ドライバーの運行データ管理やAIを活用した最適ルートの自動生成といった機能は、無駄を削減し、効率的な物流を実現する上で欠かせない要素です。
5.トラックの輸送効率を改善した事例
(1)独自システムの構築により効率的な運行を実現
長時間労働が常態化し、時には休憩時間がわずかに不足するケースも見られていた企業では、改善基準告示を遵守するため、独自の運行管理システムを開発し、運用を開始しました。
運転者が出勤時から運行中、帰社後まで、必要な休息時間や運転可能時間をリアルタイムで確認できるようになっており、運行時間を一元管理することで、特定のドライバーに業務が集中することを防ぎ、拘束時間の平準化を実現しました。
さらに、時間管理のデータを荷主と共有することで、荷待ち時間の短縮や作業方法の改善といった協力体制を構築することも可能になりました。
運行時間を可視化する仕組みが整備されたことで、ドライバーや関連スタッフの時間管理に対する意識が大きく向上しています。
(2)運行データ機器の設置で労働環境を改善
トラックドライバーの時間外労働が深刻化し、疲労が原因の交通事故が多発していた企業では、全車両にドライブレコーダーとデジタルタコグラフの機能を統合した運行データ機器を全車両に導入しました。
ドライブレコーダーとデジタルタコグラフの機能を統合しており、走行時間や距離、車両速度などの情報を自動記録し、情報を徹底的に分析したところ、荷物の積み下ろしや荷待ち時間が長時間労働の主要因であることが判明します。
分析したデータを基に荷主との協議を重ねることで、待機時間の短縮に向けた積極的な協力体制の構築に成功しています。。
(3)システム導入により労働時間を短縮
従業員の大量退職や採用難という課題に直面した企業では、労働環境の改善のために独自システムの導入とデジタル化の推進を行いました。
運行管理や伝票管理など、従来手書きで行っていた作業をすべてデジタル化し、社内帳票のフォーマットを統一させ、さらにシステムによる運行情報の分析により運行計画の見直しを行いました。
近隣企業と共同配送を行う仕組みを構築し、ドライバーの労働時間短縮にもつながり、企業内での業務効率化を図ることもできました。
6.まとめ
今回は、トラックの輸送効率を高める方法等を解説しました。
現状の物流業界において、トラックの輸送効率を向上させることは限られたリソースの有効活用や、企業競争率を高めるためにも非常に重要です。
トラックの輸送効率を高める方法のなかでも、システムの導入は作業時間の短縮や大幅な業務効率化を図るうえで有効な方法です。