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サイバーポートの目的は、紙やメール・FAXで行われてきた港湾業務を電子化し、関係者間の情報連携を効率化することです。
本記事では、サイバーポートの定義や導入背景、物流事業者・港湾関連企業が利用する理由を整理したうえで、主要機能、操作方法、NACCSとの違いといった実務に必要なポイントを体系的に解説します。

サイバーポートを使うことで、港湾物流の電子化と情報共有を進められ、コンテナ物流の帳票作成や行政手続、港湾施設データなど、従来は別々に管理されていた情報を統合して扱えます。
まずは、サイバーポートの定義や導入背景、物流事業者・港湾関連企業が利用する理由を整理したうえで、主要機能、操作方法、NACCSとの違いといった実務に必要なポイントを体系的に解説します。
サイバーポートは、国土交通省港湾局が整備する港湾情報のデジタルプラットフォームです。
港湾物流の手続、港湾管理に関する行政情報、港湾インフラの台帳データなどを電子化し、関係者が共通して利用できるよう設計されています。
港湾物流の標準化と手続の効率化を進めることで、問い合わせ対応や照合作業の負担軽減、データ利活用の高度化につなげる基盤としてサイバーポートの活用が拡大しています。2024年9月時点で、計745社の企業がサイバーポートを導入しており、港湾物流の電子化が着実に進展しています。
以下の動画では、国土交通省によるサイバーポートの紹介動画が確認できます。
港湾では、貨物手続・港湾管理・施設維持管理といった多様な情報が、船社・フォワーダー・港湾管理者・行政など複数の主体に分散し、再入力や照合作業が常態化し、作業負担の増大や情報の不整合、問い合わせ対応の増加といった非効率が課題となっていました。国土交通省の2018年調査では、コンテナ物流手続の約5割が紙・電話・メール等のアナログな手法で行われており、電子化の範囲は限定的でした。
一方、港湾台帳や施設配置図、維持管理記録、港湾統計などの基礎データも組織ごとに管理体系が異なり、港湾計画や投資判断に十分活かしきれない状況が指摘されていました。また、港湾労働者数は減少傾向にあり、2019年から2040年までに約1.1~1.2万人減少すると試算されています。
こうした課題を踏まえ、国土交通省は港湾情報の電子化・標準化・一元管理を進め、港湾政策の高度化と現場業務の効率化を実現する基盤としてサイバーポートを整備しています。
船社、フォワーダー、海貨業者、通関業者、倉庫業者、陸運業者、ターミナルオペレーターなど、多様な事業者が共通のプラットフォームで取引情報を扱えるため、再入力や照合作業、問い合わせ対応の負担が大幅に軽減されます。
また、上流帳票のデータが下流帳票やNACCS業務に連携される仕組みにより、誤記防止やタイムラインでの進捗把握も容易になります。国土交通省が2021年度に実施した実証事業では、サイバーポートの導入により港湾物流手続にかかる時間が最大60%削減されたことが確認されており、書類の作成・送信、データの取得・再入力、問い合わせ等の作業効率化が実証されています。これらの効率化効果から、港湾関連企業を中心に導入が広がっています。

サイバーポートは、港湾物流・港湾管理・港湾インフラの3分野を横断して情報を扱えます。
本章では、サイバーポートが担う3つの主要機能と連携機能の4領域に分けて整理します。
サイバーポートの港湾物流分野では、荷主・船社・フォワーダー・通関・倉庫・陸運・ターミナル等の民間事業者間におけるコンテナ物流手続を電子化・共通化するプラットフォームとして機能します。船積依頼書(S/I)、ブッキング依頼書、到着通知(A/N)など37種類の帳票に対応し、データプラットフォーム機能に加え、帳票テンプレート、タイムライン(履歴確認)、タスク管理、メッセージ送受信などの業務支援機能を提供しています。
| 再入力・照合作業の削減 | 帳票間で情報が自動連携されるため、再入力や整合性チェックの手間が減る |
|---|---|
| 進捗・履歴の可視化 | 手続のステータスや履歴が一覧で確認でき、問い合わせ対応が迅速になる |
| 不備・読み違いの防止 | 書類の記載ミスや伝達齟齬が減り、港湾ゲートでの滞留・渋滞を抑制できる |
また、NACCS連携機能により、サイバーポート上で82業務コードに対応したNACCS業務(貨物情報登録ECR、輸出申告EDA等)を実行でき、ワンストップでの手続完了が可能です。実証では最大60%の作業時間削減も確認されており、港湾物流全体の効率化と標準化を支える中核的なデータプラットフォームとなっています。
参考:https://www.cyber-port.net/ja/about/
従来は紙で提出されていた入出港関連の届け出や、各種統計調査の回収・整理をオンライン上で処理できるようにすることで、港湾管理者と民間事業者双方の作業負担を大きく削減します。
港湾管理分野で電子化される主な項目は以下のとおりです。
| 入出港関連手続の電子化 | これまで紙で提出していた港湾施設利用手続・入出港届などをオンラインで申請・処理 |
|---|---|
| 港湾統計・調査業務の効率化 | 港湾調査(港湾統計など)をデジタルで収集し、集計作業やデータ管理を効率化 |
| 港湾管理に必要な台帳情報の統合 | 港湾関連データを一つの基盤で整理し、管理者の業務全体を可視化・最適化 |
この仕組みにより、港湾管理者は手続の処理状況をリアルタイムに確認でき、民間事業者にとっても、紙の提出や窓口対応が不要になり、手続の迅速化と記載ミスの減少につながります。
サイバーポートの港湾インフラ分野は、港湾台帳をはじめ、施設の属性情報、整備履歴、点検結果などのデータを電子化して統合することで、以下のように港湾管理者が必要な情報に迅速にアクセスできる環境を整えます。
| 港湾計画・整備情報 | 港湾計画、設計図書、施工記録など、施設整備に関する上流情報を電子化して管理 |
|---|---|
| 港湾台帳・維持管理情報 | 施設台帳、点検記録、更新履歴など、維持管理に必要なデータを体系的に蓄積 |
| 施設状態の可視化と分析 | 蓄積データをもとに、維持管理の優先度判断や更新計画の検討に活用できる |
港湾インフラ分野のデータを一体的に扱うことで、港湾管理者は施設に関する情報を横断的に把握でき、整備計画の妥当性評価や維持管理コストの最適化に役立てることができます。
2023年4月に10港で第一次運用を開始し、2024年3月に国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾の計125港に拡大、2025年3月には地方港湾を含む全国932港に対象を拡大し本格運用を開始しています。
サイバーポートは、NACCS業務(82業務コード)を実行でき、必要な帳票データを自動で取得・反映できるため、輸出入手続のデータ入力や照合作業を大幅に削減できます。具体的には、サイバーポート上で貨物情報登録(ECR)、輸出申告(EDA)、輸入申告(IDA)などのNACCS業務をワンストップで完了できます。
さらに各種Webサービスや企業の自社システムともAPIで連携可能で、複数システムを跨ぐ業務フローを統合しやすい点が特徴です。主な連携先としては、貿易プラットフォームのTradeWaltz(船積依頼等のデータ連携)、港湾物流情報サービスColins(船舶動静・CY搬出可否情報)、コンテナターミナルゲート処理システムCONPAS(搬入票情報連携)などがあり、民間プラットフォームやパッケージソフトとの連携も推進されています。
これにより、企業は複数の手続プラットフォームを横断する負担を減らし、上流工程で登録した情報を下流の輸出入・港湾手続まで一貫して活用できます。結果として、データの整合性が向上し、手続の重複作業や問い合わせの発生を抑制する効果が見込まれます。

ここでは、アカウント設定から帳票作成、機能改善の確認方法、マニュアルの参照方法まで、利用開始時に必要となる基本操作を整理します。
参考:https://document.cyber-port.net/cp-manuals/en/UserMenu/general/_index.html
サイバーポートの利用を開始するには、まず管理者が利用者をシステムに招待し、各利用者が初回ログインを行う必要があります。招待メールから登録を開始する仕組みになっており、初回ログイン後にパスワード設定や認証手続を完了させることで、ユーザーアカウントが有効化されます。
初回ログインの流れは次のとおりです。
2回目以降は、登録済みのメールアドレスとパスワードを入力する通常のログイン手続となります。
二段階認証を設定している場合は、確認コードの入力が求められます。パスワードを忘れた場合は、ログイン画面から再設定を行うことができ、メールで送信される確認コードを使用して新しいパスワードを設定します。
サイバーポートでは、ユーザーごとに「閲覧(Read)/編集(ReadWrite)/アクセス不可(–)」の3段階で権限を設定できます。これにより、担当者が扱う帳票の範囲を適切に制御し、誤った更新や情報漏えいを防止できます。
帳票のやり取りは「取引」単位で管理されます。
取引は通常 B/L 単位で作成され、取引に参加している関係者のみが帳票の参照・更新を行えます。これにより、案件ごとに関係者を切り分けた運用が可能です。
基本画面は、取引一覧・帳票一覧・通知・ユーザー設定など主要メニューで構成されています。
帳票は取引単位で紐づけられる仕組みのため、まず担当取引を選択し、その中で必要な帳票の作成・更新・共有を進められます。
帳票作成フローの基本的な流れは、以下のとおりです。
このフローが共通化されているため、複数の荷主・案件を扱う場合でも、同じ操作で業務を進められます。
コンテナ搬入票と危険品(DG)書類は、最新のアップデートによりオンライン上で作成・共有できます。
荷主・通関業者・倉庫事業者など複数の関係者が同一画面で情報を確認でき、電話やメールでの重複確認が不要になります。入力項目の多くは事前登録データから自動反映されるため、追加入力だけで帳票を作成できます。サイバーポートで作成した搬入票情報は、コンテナターミナルゲート処理システムCONPASと連携し、事前照合によりゲート前混雑の解消に寄与します。
国際基準にもとづく必須項目がガイドとして表示されるため、入力漏れや書式の不統一を防げます。登録済みデータから次回以降の書類を自動生成でき、繰り返し輸送の手間を削減します。従来、紙・メールでのやり取りがなされ電子化が最も遅れていた危険物明細書(赤紙)、危険物・有害物事前連絡表(白紙)などの危険品関連書類について、サイバーポートを用いて帳票の作成や関係者への連絡等を電子化することで、危険品関連業務の効率化を実現しています。
作成した書類はそのまま取引関係者とオンラインで共有・提出でき、紙の保管や持ち運びも不要になります。

サイバーポートとNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)は、どちらも物流・貿易手続のデジタル化を支える基盤ですが、担っている役割が異なります。
ここでは、両者の役割と連携ポイントを整理し、物流企業がどのように使い分けるべきかを示します。
サイバーポートとNACCSの大きな違いは、「民民手続」中心か、「官民手続」中心かです。
以下では、主な役割の違いを明確な対比でご確認いただけます。
| サイバーポート | NACCS | |
|---|---|---|
| 対象 | 民間事業者間の物流オペレーション(民民) | 税関・官庁との手続(官民) |
| 主な用途 | 搬入票・危険品情報・作業指示・倉庫連携 | 輸出入申告・審査・許可情報管理 |
| 目的 | 現場作業の効率化・標準化 | 法令手続の電子化・迅速化 |
| 主体 | 国交省(港湾DX)+民間事業者 | 税関+関連官庁 |
つまりサイバーポートは港湾物流の実務を支えるプラットフォームであり、NACCSは税関関連の法令手続を処理する基幹システムという位置づけとなります。NACCSは1978年から運用されている歴史あるシステムで、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCS Center)が運営しており、約8,900社(海上関係、2018年3月時点)が利用しています。一方、サイバーポートは2021年4月に運用を開始した新しいプラットフォームで、国土交通省港湾局が運営しています。
この役割分担を理解することで、どの業務をどちらのシステムで処理すべきかが明確になり、現場での混乱や二重入力を防ぐことができます。
サイバーポートは、NACCSの通関情報と連携することで、港湾物流の実務データと行政手続データを一体的に扱えるように設計されています。サイバーポートでは82業務コードに対応したNACCS業務を実行でき、2023年3月からNACCSとの直接連携機能がリリースされています。
サイバーポート側で取引(B/L)を作成すると、輸出入申告に必要な基本情報がNACCSに連携され、NACCSで許可が下りた情報はサイバーポートに自動反映されます。これにより、港湾現場と通関業務の「入力の重複」や「情報のズレ」を最小限に抑えることができます。
NACCS連携によって実現する主なメリットは、以下のとおりです。
| メリット | 連携で期待できる効果 |
|---|---|
| 二重入力の削減 | B/L番号・船名・航海番号・申告区分などの共通項目を再入力する手間が省ける |
| 許可情報の自動反映 | NACCSで輸出入許可が出るとサイバーポート上の該当取引に自動反映され、現場の作業開始判断が早まる |
| 情報の整合性向上 | 通関・倉庫・運送会社の間で扱うデータが統一され、書類の差し戻しや照合作業が減る |
| 港湾作業の着手が迅速化 | 許可・搬入予定・危険品情報が一元化され、作業計画やトラック手配がスムーズになる |
上記をまとめると、港湾における待ち時間・空回り作業の削減につながります。
現場オペレーションとしてのサイバーポートと、法令手続の迅速化のNACCSを併用することで、業務全体を効率化できます。
以下に、併用によって得られる主なメリットをまとめました。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 一貫した業務フローを構築できる | 通関~港湾作業までの情報が連携し、許可取得→搬入→作業開始までの流れを分断せず管理できる。 |
| 荷主・通関・倉庫・運送会社の連携がスムーズに | NACCSでの許可情報がサイバーポートに反映されるため、関係者が同じステータスを参照できる。 |
| 帳票の二重作成・二重入力を削減 | B/L情報、船名、コンテナ番号など共通項目を複数システムに入力する必要がなくなる。 |
| 現場での待機時間・差し戻しが減る | 許可状況・危険品情報・搬入予定が揃って確認でき、段取りの組み直しが減少。 |
| ゼロエラーに近い業務運用が可能になる | 人手入力の削減により誤入力・書類不備が減り、港湾側からの返戻や修正対応が少なくなる。 |
両者を併用することで、行政手続と港湾現場のオペレーションを“1本の流れ”として扱えるようになる点が最大のポイントです。

サイバーポートは港湾物流のデジタル化を支える基盤ですが、正しく運用するためにはデータ更新の扱い方や権限管理、NACCSとの関係性など、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、サイバーポートを活用する際の注意点を解説します。
サイバーポートで扱われる情報は、港湾管理者・倉庫・船社・通関業者など複数の事業者が入力するため、更新頻度や反映タイミングは必ずしもリアルタイムではありません。
とくに、NACCS連携によって通関許可情報は比較的正確に反映されますが、港湾作業の進捗や搬入予定など、民間事業者が入力するデータは精度が事業者の運用に依存します。
そのため、サイバーポートを活用する際は「掲載情報は最新であるとは限らない」という前提で確認を行い、データ更新のルールを社内外で共有しておくことが重要です。特に、船積日変更や危険品情報の修正など現場作業に直結する変更は、システム更新と併せて関係者への直接連絡も行うことで、情報の行き違いを防ぐことができます。
サイバーポートとNACCSはどちらも港湾・貿易分野の情報を扱うため、誤解をきっかけに通関許可が下りていないのに作業を開始してしまったり、危険品の取扱情報が共有されずに現場が混乱したりと、業務遅延や安全面でのリスクが生じる可能性があります。
そのため、社内外の関係者にはあらかじめ、「NACCSは通関など法令手続を行う官民システム」「サイバーポートは港湾物流の実務を管理する民民システム」という役割分担を共有しておく必要があります。実務では、NACCSで輸出入許可を取得した後、サイバーポート上で搬入票や危険品書類を作成し港湾作業を進めるという流れが一般的です。両システムの処理順序を明確にすることで、作業の手戻りや待機時間を削減できます。
港湾物流では、荷主・通関業者・倉庫・運送会社と関係者が多岐にわたるため、権限が曖昧なまま運用すると「閲覧できない帳票がある」「不要な情報まで見えてしまう」といったトラブルが起こりやすくなります。
サイバーポートでは帳票が「取引(通常はB/L単位)」ごとに管理されているため、担当者の追加や変更を適切に行うことが重要です。
適切な運用下では取引に参加していないユーザーは帳票を閲覧・更新できないため、社内の担当変更や外部事業者との連携に応じて、取引単位の権限も随時見直す必要があります。実務上は、取引開始時に関係者全員を登録し、各担当者に「閲覧(Read)」「編集(ReadWrite)」「アクセス不可(–)」の権限を適切に付与することで、情報漏えいや誤操作のリスクを低減できます。
サイバーポート(港湾物流分野)は2026年3月まで無料で利用でき、2026年4月からは1社あたり月額6,600円の利用料金が発生します。サイバーポートは国土交通省が提供するシステムですが、利用する機能や業務形態によって料金や契約内容が変わるため、自社にあわせた最新情報を確認しておくことが重要です。
また、導入までの流れは「申し込み→アカウント発行→権限設定→利用開始」という一般的なステップで進みますが、実際の業務運用に乗せるまでには、社内の担当割り振りや取引単位の設定、他システムとの連携確認が必要となる場合もあります。
特にNACCS連携や取引先との共同運用を想定している場合は、情報の取り扱いやデータ更新のタイミングなどの運用ルールを明確に定めておくことが、本格運用時のトラブルを予防できます。
また、複数の取引先とサイバーポートで連携する場合、相手企業の導入状況や利用意向を事前に確認し、段階的に運用範囲を拡大することで、スムーズな移行が可能になります。
サイバーポートは、その多機能性とNACCSとの連携により、業務効率化とコスト削減に大きく貢献します。導入にあたっては、各機能の理解と適切な設定、そしてNACCSとの役割分担を明確にすることが重要です。
10年にわたる物流会社での事務経験を持ち、現場実務に精通。2024年に貨物運行管理者資格を取得し、法令遵守と実務の両面から運行管理を支援しています。