\当サイトおすすめNo.1運行管理システム/


これまで努力義務にとどまっていた物流効率化への取り組みは、2026年を境に、一定規模以上の企業に対して法的義務へと格上げされました。この記事では、2026年の状況を踏まえ、物流改革の全体像から法改正の重要ポイント、さらには企業が取るべき実務上のステップまでを徹底解説します。

現在の物流改革が目指すのは、旧来のモデルからの脱却です。
現在進行中の物流改革の本質は、人手不足や旧来の商慣習によってこれまでの運び方が通用しなくなった日本においても、物流を維持し続けるための構造そのものの作り直し(アップデート)にあります。
ここでは、物流改革に関する概要と求められている理由についても解説します。
物流改革では、以下の3者がそれぞれの役割を果たし、物流を持続可能な社会インフラへと転換することを目指しています。
| 荷主企業 | 無理な配送依頼の削減や荷待ち時間の短縮など、運送環境の改善に協力する |
|---|---|
| 物流事業者 | デジタル技術(DX)の活用による効率化や、ドライバーの処遇改善を推進する |
| 消費者 | 再配達の削減や置き配の活用などで物流負荷を考慮した行動を取る |
国土交通省は物流改革の方向性として「標準化」「共同輸配送」「デジタル化(DX)」を柱に掲げています。
こうした改革の方向性は三者が連携しなければ実現できず、特に荷主側の発注条件や納品リードタイムの見直しが不可欠とされています。
これらを三者が三位一体で、限られたリソースでも荷物が確実に届く社会を維持することこそが、物流改革の真の目的となります。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001725232.pdf
2024年問題という言葉が広く浸透しましたが、2024年を過ぎれば危機が去るわけではなく、むしろここからが「物流が止まるか、維持できるか」の正念場に面しています。
政府の推計によれば、具体的な対策を講じなかった場合、2030年度には営業用トラックの輸送能力が約34.1%も不足すると予測されています。

これは、日本全体の約3分の1の荷物が届かなくなるという計算であり、供給網(サプライチェーン)の断絶という最悪のシナリオも現実味を帯びています。
また、物流が立ち行かなくなる根本原因は、圧倒的な担い手不足です。トラックドライバーの年間所得は全産業平均と比較して約5%〜10%低く、一方で年間労働時間は約2割も長いという過酷な状況が続いてきました。

実際、大型トラックドライバーの平均年齢は2023年時点で49.2歳に達しており、若年層への継承が進まないまま高齢化が加速しています。現場では「募集をかけても応募がこない」という声が常態化しており、人材確保は個社努力の限界を超えた構造的課題となっています。
改革を怠り、担い手がいなくなれば、高い運賃を払っても運べない未来がやってきます。物流改革は、企業にとっても社会にとっても、生き残るための生存戦略と認識されています。
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001220623.pdf
物流危機の回避に向けて、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」および「物流革新緊急パッケージ」という2つの強力な方針を軸に、全方位的な対策を講じています。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001725232.pdf
緊急パッケージは、2024年問題への即応策として、法改正を待たずに直ちに実行・成果を出すべき事項にフォーカスしています。
具体的には、宅配ボックスの設置支援(既存マンション等への補助金)による再配達率の半減や、トラックの待機時間を削減するバース予約システム等の設備投資支援が加速しています 。さらに、標準的な運賃の引き上げなど、現場の処遇改善に直結する施策が強力に推進されています。

政策パッケージは、日本の物流が長年抱えてきた商慣習の是正や、モーダルシフトによる輸送効率化など、抜本的な構造改革を目指すものです。これらの方針は、2026年時点で単なる指針から法的強制力を持つ「物流総合効率化法」および「物流2法」の改正内容へと昇華されました。
緊急パッケージは再配達削減やバース予約など即効性のある対策が中心であるのに対し、政策パッケージは「商慣習の是正」「共同輸配送」「モーダルシフト」「物流DX」など構造改革が目的です。これらの方針は2026年の法改正内容にも反映されています。
これにより、一定規模以上の企業にとって物流改革に関する取り組みが、法律に基づく義務へとフェーズが変わっています。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001725232.pdf


企業は性質の異なる2つの法律を正しく理解し、自社の立ち位置に応じた対応を求められています。
ここでは、それぞれの制度がどのような役割を持つのかを比較しながら整理し、企業担当者が実務判断を行う際に押さえておくべき要点を解説します。
今回の改正において最も注視すべきは、努力義務から法的義務へと格上げされたことで、経営に直結するコンプライアンス課題となった点です。
改正法では、一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定し、中長期計画の作成や定期報告などを義務付けています。特定事業者の指定は、年間の貨物取扱量などの定量データに基づいて国が判断する仕組みで、基準を超える企業は法的義務の対象となります(基準値は年度ごとに告示)。
さらに、取り組みの実施状況が不十分な場合には、国による勧告や命令が実施される仕組みも導入されました。
これにより、物流は運送事業者に一任できる現場課題ではなく、荷主側も主体的に関与すべき事項として位置づけられています。
改善勧告に従わない場合には企業名の公表や是正命令が下され、命令違反に対しては罰金等のペナルティが課されるリスクも存在します。物流改革への対応を誤ることは、企業の社会的信用や経営基盤に影響を及ぼす重大なリスクをはらんでおり、全社的なガバナンスが不可欠です。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001725232.pdf
物流総合効率化法と物流2法改正は、それぞれ異なる側面から物流の持続可能性を支えるものであり、効率化による輸送力の確保と、適正取引による労働環境の改善を同時に進めることで、日本の物流網の維持・強化を目指しています。
参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jidosya/ouensaito/shiryou/20241031/20241031_03.pdf
物流総合効率化法は、物流全体の生産性向上を目的として、荷主企業や物流事業者に対し、物流効率化に向けた取り組みを促す制度です。具体的には、荷待ち・荷役時間の短縮、積載率の向上、リードタイムの見直しなど、物流工程そのものを効率化する取り組みについて努力義務が課されます。
また、一定規模以上の事業者に対しては、中長期計画の策定や定期報告、物流統括管理者の選任などが求められ、国がその取り組み状況を確認し、指導や助言を行う仕組みが整備されています。こうした制度により、荷主と物流事業者の双方が連携して、物流の無駄や非効率を構造的に改善することが狙いとされています。
一方で物流2法(貨物自動車運送事業法等の改正)は、主にトラック輸送の取引環境や業界構造を是正することを目的としています。物流業界では、元請から複数階層の下請へ業務が委託される多重下請構造が存在し、実際に運送を担う事業者(実運送事業者)に十分な対価が行き渡らないケースが課題とされてきました。
改正では、運送契約時の書面交付義務、実運送体制管理簿の作成、下請取引の適正化に関する管理体制の整備などが義務付けられ、取引の透明性向上と適正運賃の確保を図る仕組みが導入されています。
これにより、実運送事業者の収益環境を改善し、ドライバーの処遇改善や担い手確保につなげることが狙いとされています。

法改正への対応を検討するにあたり、自社がどの範囲で法的義務を負うのかを正確に把握することが重要です。制度対応の水準は、企業規模および物流における役割によって大きく異なり、実務上は2つの観点から整理する必要があります。
最初の判断軸は、自社が特定事業者に該当するかどうかです。以下は、制度ごとの対象範囲と求められる対応水準の整理です。
| 区分 | 主な対象 | 求められる対応水準 |
|---|---|---|
| 物流総合効率化法(特定事業者) | 一定規模以上の荷主・物流事業者 | 中長期計画の策定、定期報告、責任体制の構築などの管理義務 |
| 改正物流効率化法・物流2法 | すべての荷主・物流事業者 | 物流効率化に向けた努力義務、契約内容の明確化、実運送体制の可視化等 |
自社が特定事業者として高度な管理義務を負うのか、あるいは全企業共通の努力義務の範囲で対応すべきかを、貨物輸送量などの定量データに基づいて早期に判定することが、経営判断上の出発点となります。
国土交通省は、特定事業者の判断にあたり「出荷量・取扱量・輸送量」などの定量データを基準とする方針を示しており、まずは自社の物流量を正確に把握することが前提となります。
参考:https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/designation/
制度対応は、現場オペレーションの改善と組織的な管理体制の構築という2つの領域で整理する必要があります。
物流総合効率化法と物流2法では、重点となる対応領域が異なります。制度ごとの主な対応領域は以下のとおりです。
| 制度 | 主な対応領域 | 実務上の対応例 |
|---|---|---|
| 物流総合効率化法 | 物流工程の効率化 | 荷待ち時間の削減、積載率向上、荷役作業効率化、輸送リードタイム見直し、全社横断の改善計画策定 |
| 物流2法 | 取引環境の適正化 | 契約条件の明確化、附帯業務料や燃料サーチャージの明示、実運送体制管理簿の整備、多重下請構造の可視化 |
物流総合効率化法は物流プロセスそのものの効率化を促進する制度であり、特定事業者には責任者を中心とした全社的な改善体制の構築が求められます。
一方、物流2法は取引の透明性と適正運賃の確保を目的としており、契約管理および委託構造の可視化が重要な対応領域となります。

物流総合効率化法では、荷待ち時間の削減や積載率の向上、輸送網の見直しなど、物流プロセスの効率化に向けた取り組みを促進するとともに、一定規模以上の事業者に対しては中長期計画の策定や管理体制の整備が求められます。ここでは、物流総合効率化法における効率化の定義や、企業の具体的事例について解説します。
物流総合効率化法における効率化とは、物流全体の工程を見直し、輸送力不足やドライバー負担の軽減につながる包括的な取り組みを指します。特に複数の事業者が連携して行う構造的な改善が重視されており、共同配送や帰り荷の確保、輸送網の再編、鉄道や船舶へのモーダルシフトなどが代表的な取り組みとされています。
こうした取り組みを計画としてまとめ、国の認定を受けた場合、企業には経営面でのメリットが生まれます。
認定事業者は、物流施設の整備や効率化投資に関して税制上の優遇措置を受けられるほか、物流拠点の設置に関する許可手続きの円滑化など、事業推進を後押しする制度的支援を活用できる場合があります。これにより、単なる法令対応にとどまらず、中長期的な物流投資を進めやすくなる点が大きな特徴です。
物流総合効率化法では、一定規模以上の企業が特定事業者に指定された場合、物流効率化を継続的に推進するための中長期計画の策定と、定期報告の実施が義務付けられ、物流改善を企業経営の中で継続的に管理します。これにより、継続的に見直す体制を構築することが求められます。
| 区分 | 主な内容 | 制度上の目的 |
|---|---|---|
| 中長期計画 | 荷待ち・荷役時間の削減、積載効率の向上などの数値目標と改善施策を策定 | 物流効率化を計画的かつ継続的に推進するため |
| 定期報告 | 計画に基づく改善状況を毎年度国へ報告 | 取り組み状況を検証し、改善活動を継続させるため |
国交省は、中長期計画には「荷待ち・荷役時間の削減」「積載率向上」などの数値目標に加え、改善施策の実施体制(CLOの役割や部門連携)を明記することを求めています。
計画策定の現場では、そもそも荷待ち時間や積載率のデータが社内に存在しないケースも多く、まずはデジタコや入退場記録の整備から着手することが現実的な第一歩となります。
これらの制度は、物流改善を企業として継続的に管理・評価する体制の構築を促すことを目的とするため、計画策定から実行、評価までを一体として運用することが重要です。
参考:https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/designation/
参考:https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/files/pdf/basic-policy-promoting-revised-logistics.pdf
以下は、物流総合効率化法の認定を受けた実際の取り組み事例です。複数の事業者が連携することで、大幅な効率改善が実現されています。

石川県の若松梱包運輸倉庫株式会社らは、分散していた複数の物流拠点を新設の共配センターに集約し、トラック受付予約システムの導入と高規格バースの整備を実施。これにより手待ち時間を約65%削減、CO2排出量も約22%削減することに成功しました。

新潟県のキノコ類製品メーカーを含む複数事業者が連携し、これまでトラックで行っていた新潟〜福岡間の長距離輸送を鉄道コンテナ輸送へ切り替えました。その結果、ドライバーの運転時間を約91%省力化し、CO2排出量も約75%削減するという大幅な改善を実現しました。

従来では、荷主から物流業務を委託された元請事業者が下請・孫請へと再委託され、運賃が階層ごとに中抜きされることによって、実際に輸送を担う実運送事業者に支払われる対価が低くなる構造が存在しました。
その結果、ドライバーの低賃金化や長時間労働といった負の連鎖につながり、担い手確保の困難化を中心とする物流業界全体の持続可能性を損なう要因として注視されました。
時間外労働に関する規制が強化される中で、生産性を高めつつドライバーの労働時間を適正に管理し、かつ担い手を確保することは、物流事業者だけでなく荷主企業にとっても喫緊の経営課題です。制度的な適正化が進むことにより、業界全体の持続可能な運営体制の確立が期待されています。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001865381.pdf
物流2法改正では、元請事業者に実運送体制管理簿の作成が義務付けられており、これによって誰が実際に輸送を担っているのかを明確にし、適正な運賃配分と持続可能な輸送体制を確立することを狙いとしています。
制度上、実運送体制管理簿では主に以下の情報を記録する必要があります。
この管理簿は一定重量以上の輸送に対して作成が求められ、輸送完了後も一定期間保存する義務があります。
なお、国土交通省は管理簿の対象となる輸送について「1.5トン以上の貨物輸送」を基準としており、自社の輸送案件が該当するかを事前に確認することが重要です。対象となる場合は、管理簿の作成体制を整備する必要があります。
これにより、輸送実績の説明責任を果たすとともに、実運送事業者に適正な運賃が支払われる環境整備が進められます。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001865381.pdf
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001732626.pdf
適正な運賃が重視される背景には、トラック運送業における長時間労働・低賃金の状況が続き、運転者不足が深刻化している現状があります。
しかし、労働時間の規制のみでは輸送能力の確保と処遇改善を同時に実現することは困難であり、輸送に必要なコストが適切に取引価格へ反映される環境整備が不可欠とされています。
国土交通省は2019年に「標準的な運賃」を告示し、その後も改定を重ねています。この標準運賃は、ドライバーの労働条件改善に必要なコストを積み上げて算出されたものであり、荷主との運賃交渉における根拠資料として活用できます。
そのため、制度上の重要な措置として、荷主および物流事業者には「標準的な運賃」の位置付けを理解したうえで、運賃や料金の内容を契約上明確にし、輸送に必要な原価や附帯業務の負担を適切に反映する運用への見直しが求められています。
荷主企業と物流事業者の双方が適正な取引関係を構築することが、将来的な輸送力の維持にもつながる重要な取り組みといえます。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001732626.pdf

2026年における物流改革は、物流総合効率化法による物流工程の効率化、物流2法改正による取引構造の適正化、さらに働き方改革に伴う輸送能力の制約などが同時に進行しているため、制度を個別に理解するだけでは全体像を把握しにくい状況にあります。
ここでは、2026年時点で物流改革を検討する企業が押さえておくべき制度上の注意点と、実務判断において誤解されやすいポイントを整理します。
荷待ち時間の削減や積載効率の向上といった制度上求められる効率化は、物流部門単独では実現が難しく、営業部門による配送頻度や納品条件の見直し、製造部門による出荷ロットや生産計画の調整など、複数部門の連携が前提となります。
また、物流改革の実効性を高めるためには、物流事業者との協力関係の構築も不可欠です。
発注側が条件を一方的に決定する従来型の取引では、荷待ち時間の削減や作業効率の改善が進みにくいケースがあります。輸送条件や作業内容に関する情報を双方で共有し、積み込み待機時間の短縮や作業負担の軽減に共同で取り組む姿勢が、制度遵守と輸送力確保の両立につながります。
物流効率化に関する取り組みを企業全体で推進する役割を担うのが、物流統括管理官(CLO)です。計画策定や改善施策の進捗管理などを統括する立場に位置付けられています。
この役職の選任は特定事業者に対して法的に義務付けられており、それ以外の企業は任意の対応となります。ただし、規模を問わず体制整備に早めに着手することが実務上のリスク回避につながるため、国土交通省も企業規模にかかわらず部門横断の体制整備を推奨しています。
制度上、物流効率化は営業部門の配送条件や納品リードタイム、製造部門の出荷ロットや生産計画など、複数部門の意思決定と密接に関係します。特定事業者においては、こうした部門間の調整を行い、企業として持続可能な物流のあり方を設計することが求められます。
CLOの設置は、物流改善を現場レベルの業務効率化にとどめず、企業経営として継続的に管理・推進する仕組みを構築することを目的としています。物流をコスト管理の対象としてだけではなく、企業競争力やサプライチェーンの安定性に関わる経営課題として位置付けることが、制度対応において重要です。
参考:https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/clo/

ここでは、企業が制度対応を進める際に整理すべき判断プロセスを段階的に示し、自社の対応方針を検討するための基本的な進め方を解説します。
最初に取り組むべきは自社の物流実態を客観的な数値で把握することです。
具体的には、トラック1台あたりの平均荷待ち時間や荷役作業時間、車両ごとの積載率などを正確に計測しなければなりません。
特に特定事業者に指定された場合、これらの数値改善に向けた目標設定と進捗報告が義務付けられるため、正確な現状把握は法遵守の前提条件となります。
データの収集にあたっては、デジタコ(デジタルタコグラフ)から得られる運行記録や、バース管理システムによる入退場時刻の自動記録により、ドライバーの拘束時間を精度高く可視化することが可能になります。
大規模なシステム投資が難しい場合でも、ドライバーのスマートフォンを活用した運行管理アプリや、既存のデジタコデータの集計から始めることが現実的です。まず「計測できる状態を作る」ことが、制度対応の出発点となります。
こうして蓄積されたデータは、ボトルネックの特定や運送事業者との適正な運賃交渉、さらには経営層に対する投資判断の確かな根拠として機能します。
物流改革を実効性のあるものにするためには、物流部門を孤立させず、経営層と課題認識を完全に一致させることが不可欠です。コスト抑制の結果として配送網が維持できなくなれば、最終的に売上の喪失を招くという危機感を共有しなければなりません。
この認識合わせにおいて中心的な役割を果たすのが、法改正で選任が義務付けられるCLO(物流統括管理官)です。
例えば、「多頻度小口配送を維持したい営業部門」と「積載率を向上させたい物流部門」のように、各部署が抱える相反する利益(トレードオフ)を調整し、企業として持続可能な物流のあり方を決定する責務を負います。
また、倉庫スタッフや配送現場のドライバーに対しても法改正の主旨を正しく伝え、荷待ち時間の削減や契約内容の遵守が法的責任を伴うコンプライアンスの徹底であることを浸透させる必要があります。
深刻化する人手不足と法規制への対応を両立させるためには、即効性の高いツールの導入を検討すべきです。
車両の入場時間を分散させるバース予約受付システムや、AIによるルート最適化での走行距離短縮、さらに電子受領書の導入による紙ベースの事務作業削減などが挙げられます。
国土交通省も、物流改革の実効性を高めるうえでデジタル化を不可欠な要素として位置付けており、バース予約、電子受領書、運行データの活用などを重点施策として推進しています。
こうした投資は、将来的な人件費の抑制や、供給体制の安定化を実現するための不可欠な投資と定義し直すことが重要です。なお、投資対効果(ROI)を算出する際も、法改正への不対応によるペナルティ回避や輸送不能リスクの低減といったリスク管理の側面を考慮に入れる必要があります。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001725232.pdf
今回の物流改革は、日本の経済基盤を維持するための抜本的な構造改革です。実務においては、まず自社の物流データを可視化し、現場と経営層が課題認識を共有することから始まります。
五十鈴株式会社の「次世代運行管理システムAIR」は、運行記録計と連動したリアルタイムな動静データにより、これまでブラックボックス化しがちだった荷待ち・荷役時間を客観的な数値として抽出し、現場と経営層が同じデータに基づいた正しい現状把握を行うことで、法改正への確実な対応と、持続可能な物流体制への変革を強力に支援します。物流改革を経営戦略として推進したい場合には、ぜひご相談ください。
10年にわたる物流会社での事務経験を持ち、現場実務に精通。2024年に貨物運行管理者資格を取得し、法令遵守と実務の両面から運行管理を支援しています。