配送管理システムとは？無料エクセル管理表との比較、システム15選

2024年12月26日2025年1月18日

配送管理システムを利用すると、配送業務の進行状況をリアルタイムで把握し、遅延やミスを未然に防ぐことができます。

本記事では、配送管理システムのおすすめ15選を紹介します。無料の車両管理表も配布していますので、配送管理の効率化に興味のある場合には参考にしてください。

1．輸配送管理システム（TMS）とは？機能や種類、エクセル管理との違い

「配送管理システム」とは、荷物の集荷から配車、配送状況の確認、顧客への通知まで、物流における配送業務全般を効率化するシステムです。 「輸配送管理システム」 と呼ばれることもあります。

近年では、ECサイトの増加や多様な配送ニーズの高まりによって、配送業務は複雑化しています。配送管理システムを導入することで、これらの課題を解決し、業務効率化、コスト削減、顧客満足度向上を実現できるとして注目されています。

（1）輸配送管理システム（TMS）の機能

配送管理システムの主な機能は、以下の通りです。

機能	概要
配車計画の自動作成	積載効率を考慮した最適な配車計画を自動で作成
配送状況のリアルタイム追跡	荷物の現在位置や配送状況をリアルタイムで把握
顧客への配送状況通知	配送状況をSMSやメールで顧客に自動通知
電子署名による受領確認	配達完了時に電子署名による受領確認
配送業務のデータ分析	配送実績データの分析・解析

配送管理システムによって配送業務全体の効率化を図り、コスト削減とサービス品質の向上を同時に達成することが可能になります。

（2）輸配送管理システム（TMS）の種類

輸配送管理システム(TMS)には、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

①クラウド型

クラウド型輸配送管理システムは、インターネットを通じて提供されるサービスで、サーバーやソフトウェアを自社で保有する必要がありません。クラウド型のメリットは、以下のとおりです。

メリット	詳細
初期導入費用が低い	サーバーや専用ソフトウェアの購入が不要
メンテナンス不要	常に最新の状態で利用できる
アクセスの利便性	インターネット接続があれば、どこからでもシステムにアクセスできる
リアルタイム情報共有	パソコンやスマートフォンからもリアルタイムで情報を共有できる
スケーラビリティ	柔軟にシステムの規模を拡張できる

データはクラウド上に保存されるため、どこからでもアクセスでき、リモートワークにも適しています。しかし、カスタマイズの自由度が低い場合があるため、特定のニーズには注意する必要があります。

②オンプレミス型

オンプレミス型輸配送管理システムは、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして運用する形態です。メリットは以下のとおりです。

メリット	詳細
高いカスタマイズ性	業務プロセスやニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる
データのセキュリティ確保	外部アクセスによるセキュリティリスクが軽減
法規制への対応	業界特有の規制や法律に準拠したデータ管理が可能
インフラのコントロール	システムの稼働環境を完全にコントロール
長期的なコスト管理	長期的にはランニングコストを抑えられる場合がある

オンプレミス型の配送管理システムは、高いセキュリティとカスタマイズ性を重視する企業に向いていますが、導入と運用に必要なコストとリソースを十分に考慮する必要があります。

配送管理システムについては、以下の動画も参考にして下さい。

（3）エクセルによる管理との違い

輸配送管理システム(TMS)とエクセルによる管理は、以下のような違いがあります。

スクロールできます

	配送管理システム	Excelによる管理
導入時の手間	導入時にトレーニングが必要	初期設定は簡単
運用の手間	運用後は自動化により効率的	手動入力や管理が必要
配車計画の最適化	最適な配車ルートの自動生成	人間の判断による計画が必要
運賃計算	データから自動計算が可能	手動での計算が必要
データの一元管理	システム内で一元管理	データが分散しやすい
セキュリティ	専用システムでセキュリティが強化されている	管理者の知識に依存
サポート	システム提供会社によるサポート	社内で対処する必要がある

エクセルでの管理は初期コストが低く、手軽に始められるというメリットがあります。一方で、配送管理システムとエクセルによる管理を比較すると人的ミスが生じやすいなどのデメリットもあります。

どちらが自社には合うのか、よく検討し導入しましょう。

エクセルの車両管理シートを自作したい方は、以下の動画が参考になります。

2．輸配送管理システム（TMS）のメリットデメリット

輸配送管理システム（TMS）のメリットとデメリットを解説します。

（1）輸配送管理システム（TMS）のメリット

配送管理システムには、以下のようなメリットがあります。

①業務の属人化を解消できる

従来の属人的な業務をシステム化することで、担当者による業務のばらつきをなくし、業務の標準化、効率化を実現できます。また、担当者の異動や退職時にも、スムーズに業務を継続できます。

②配送状況の可視化による生産性の向上

配送状況をリアルタイムで可視化することで、配車計画の精度向上、配送ルートの見直し、車両の稼働率向上などが可能となり、配送業務全体の生産性向上に貢献します。

③確実性の高い配車計画で積載率が向上する

AIなどを活用した自動配車計画により、積載率の高い効率的な配車が可能になります。また、配送ルートの最適化により、移動距離や時間の短縮も期待できます。

（2）輸配送管理システム（TMS）のデメリット

輸配送管理システム（TMS）のデメリットを解説します。

①導入コストがかかる

輸配送管理システム（TMS）を導入すると、システム導入費用やランニングコストといった初期費用や運用費用がかかります。契約台数に応じた月額料金や初期費用が発生するため、コストを抑えて運用したい場合には注意が必要です。

②システムへの依存

輸配送管理システム（TMS）の導入によって業務の効率化が進む一方、システムへの過度な依存にはリスクがあります。システムがダウンした場合、業務が滞る可能性があるほか、スタッフの判断力やスキルが低下することも懸念されます。そのため、システムに頼りすぎず、柔軟な運用が求められます。

4．輸配送管理システム（TMS）のおすすめ１５選

（1）トータル物流基幹システムAIR

トータル物流基幹システムAIRは、物流業務全体を一元管理できる高機能なシステムです。受注から配車、運行管理、さらには運転日報の自動作成や運賃計算まで、物流に関わるさまざまな業務を一つのシステムで効率的に管理することができます。

物流業務全体を見える化し、一元管理できる
受注から配車、運行管理に対応
運転日報の自動作成が可能（ドライバー用アプリが使用可能）
直観的な操作しやすさに配慮された操作画面

AIRの直感的な操作しやすさに配慮された操作画面を紹介します。

メインメニュー	・アイコンや表によって直感的に操作できる画面
配送依頼登録	・受注履歴による登録の効率化・データアップロードによる登録も可能
配車計画	・配車後、地図で経路を確認可能・携帯アプリと連動し、配送進捗の確認ができる・日報・付帯作業の登録の効率化

AIRは輸送金額を荷主・明細単位で確認することも可能です。

情報の可視化に優れるAIRなら、複雑な配送業務の効率化を目指せるでしょう。

特徴	・物流業務の一元管理・可視化・自動配車計画の最適化・コスト削減と業務効率化・輸送金額を荷主・明細単位で確認・直感的な操作しやすさに配慮された操作画面
所在地	東京都千代田区丸の内2-2-1　岸本ビル
価格・料金プラン	こちらからお問い合わせできます

（2）Loogia

Loogiaはクラウド型の輸配送管理システムで、以下のようなメリットがあります。

AIを活用した最適ルートの自動生成機能
配送コストを大幅に削減し、業務の効率化を実現
直感的なインターフェース

配送管理システムを初めて利用するユーザーにも使用しやすい仕様となっています。

特徴	・直感的なインターフェース・AIを活用した最適ルートの自動生成機能・クラウドベースでの柔軟な運用
所在地	愛知県名古屋市中区栄2丁目11番30号セントラルビル9F
価格・料金プラン	初期費用：150,000円月額料金：200,000円

（3）トラッカーズマネージャー

トラッカーズマネージャーは、以下のようなメリットがあります。

クラウド型の輸配送管理システム運行管理業務の効率化に特化
運行データのリアルタイム収集で運行状況の可視化
運行データの分析機能を活用で運行コストの削減や安全性の向上

運行データの分析機能を活用することによって、運行コストの削減や安全性の向上を図ることができます。

特徴	・リアルタイムでの運行データ収集・運行管理業務の効率化・クラウドベースでの運用
所在地	東京都港区芝大門2-5-5 住友芝大門ビル5F
価格・料金プラン	お問い合わせからご確認ください

（4）ハコベル

ハコベルには以下のようなメリットがあります。

クラウド型のデジタル物流プラットフォーム手配
配車計画、動態管理、請求までを一元管理
トラック配車にかかる時間を短縮

余分な輸配送費を削減することで、コスト効率の高い物流を実現します。

特徴	・運送手配や配車計画などを一元管理・トラック配車にかかる時間を大幅に短縮・リアルタイム配送状況の追跡
所在地	東京都品川区上大崎二丁目24番9号アイケイビル1階
価格・料金プラン	お問い合わせからご確認ください

（5）TUMIX配車計画

TUMIX配車計画には、以下のようなメリットがあります。

あらゆる業務をクラウド上で管理し、入力業務をシンプル化
デジタル配車表や受注一覧を使って手配状況をリアルタイムで共有
同じ情報の二重入力を避け、業務効率を大幅に向上させる

デジタル配車表や受注一覧を使って手配状況をリアルタイムで共有することで、社員同士の連携力を高め、顧客満足度の向上に貢献します。

特徴	・入力業務のシンプル化・リアルタイムな情報共有・顧客満足度の向上
所在地	静岡県静岡市葵区栄町1-3 鈴与静岡ビル 4階
価格・料金プラン	初期費用：100,000円月額費用：16,800円～

（6）ONEsLOGI

ONEsLOGIには、以下のようなメリットがあります。

出荷までの物流フローを効率化し、リアルタイムでの進捗管理が可能
クラウド型の倉庫管理システム（WMS）
在庫の可視化と分析機能

標準機能で日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応しており、国際的な物流業務にも適しています。

特徴	・リアルタイムでの進捗管理・多言語に対応・在庫の可視化と分析機能に特化
所在地	東京都江東区東陽7-2-14
価格・料金プラン	月額70,000円～（パブリック版クラウドサービス）

（7）ブッキングブック

ブッキングブックには、以下のようなメリットがあります。

ドライバーと車両のスケジュールを見える化
直感的な操作が可能なカレンダー形式の配車表
独自の帳票作成や売上一覧でのデータ管理が可能

初期費用は不要で、月額課金方式によりコストを抑えながら利用できます。

特徴	・ドライバーと車両のスケジュールの見える化・エクセル連携機能で自由度の高いデータ管理・直感的な操作が可能なカレンダー形式の配車表
所在地	東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング 9F
価格・料金プラン	月額40,000円～

（8）LOGI-Cube EXPRESS

LOGI-Cube EXPRESSには、以下のようなメリットがあります。

オプションを追加することで、業務の幅広いニーズに対応
顧客の業務に合わせた請求書作成が可能
操作画面がワイド設計で情報の入力がスムーズ

請求書作成の処理状況を見える化し、内容訂正後の発行漏れを防止するアラート機能も備えています。正確で迅速な請求管理が可能となり、業務効率の向上を実現します。

特徴	・柔軟な請求書作成機能・ワイド設計の操作画面と大きなボタン・アラート機能による正確な請求管理
所在地	福岡県福岡市東区千早 5丁目13-38 ルリアン香椎参道 6階
価格・料金プラン	お問い合わせからご確認ください

（9）LYNA 自動配車クラウド

LYNA 自動配車クラウドには、以下のようなメリットがあります。

配送オーダーを入力するだけで最適な配送計画を自動的に作成
各車両の最適な配送ルートをAIが自動で検出
必要な車両台数を迅速に見積もり

2000年にリリースされたデスクトップ版のクラウド版として進化し、物流業界での信頼を築いています。

特徴	・最適な配送ルートをAIが自動で検出・AIによる自動配車計画・20年以上の実績
所在地	千葉県市川市国分5丁目12番24号
価格・料金プラン	月額50,000円から

（10）簡易配車システム

簡易配車システムには、以下のようなメリットがあります。

数トリップの自動計算や使用車両の優先順位付けを行う
短時間で自動的に車輛割付とシミュレーションが可能
特定の場所に車両を割り付ける固定ルートの計算に対応

指定の行き先までの最適ルートの計算や、特定の場所に車両を割り付ける固定ルートの計算も対応しており、配送サービスレベルの向上が可能です。

特徴	・自動配送計画と優先順位付け・短時間でのシミュレーション・最適ルートと固定ルートの計算
所在地	東京都中央区新川2-4-7
価格・料金プラン	お問い合わせからご確認ください

（11）輸配送管理システム（TMS）ULTRAFIX

輸配送管理システム（TMS）ULTRAFIXには、以下のようなメリットがあります。

輸配送管理に必要な機能を一括で提供
地理的条件や時刻指定などの物流制約を考慮
オンプレミスとクラウドの両方で提供

積付計画や輸配送進捗管理、運賃計算といった輸配送管理に必要な機能を一括で提供し、物流業務の効率化とコスト削減を実現します。

特徴	・物流業務の効率化とコスト削減・多機能な輸配送管理・柔軟な導入オプション
所在地	東京都江東区新木場1-18-7
価格・料金プラン	お問い合わせからご確認ください

（12）Cariot

Cariotには、以下のようなメリットがあります。

リアルタイムで車両の位置情報を取得
配送指示の効率化や緊急対応、遅延対策が可能
デジタル運転日報の自動作成や、危険運転の検知に対応

車載デバイスやスマートフォンを用いてリアルタイムで車両の位置情報を取得し、可視化することで業務効率を向上させます。

特徴	・リアルタイムな車両位置情報の可視化・安全性とコンプライアンスの強化・初期投資不要で広く利用可能
所在地	東京都港区芝浦1丁目1番1号浜松町ビルディング 11F
価格・料金プラン	スマホアプリ月額1,518円（ドライバー1名ごと）車載デバイス月額2,200円（車両1台ごと）

（13）モバロケ

モバロケには、以下のようなメリットがあります。

全国をカバーする通信が可能
マルチGPS受信機を用いて高精度な位置情報を取得
過去の移動経路を最短3分単位で履歴表示する機能

過去の移動経路を最短3分単位で履歴表示する機能も備えており、配送ルートの見直しや配達証明に活用できます。

特徴	・全国カバーの通信ネットワーク:・高精度な位置情報取得とリアルタイム表示・移動経路の履歴表示機能
所在地	大分県大分市東大道2丁目5番60号
価格・料金プラン	月額3,380円（車の台数分）

（14）ODIN リアルタイム配送システム

ODIN リアルタイム配送システムには、以下のようなメリットがあります。

動態管理と配送計画を一体化
荷主や配送先への連絡がスムーズに行える
トラブルが発生した際にもリアルタイムで把握が可能

最適な配送ルートを計算し、配送時間の短縮を実現します。ODIN PREMIUMを含む複数のプランがあり、業務に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

特徴	・リアルタイム配送状況の把握・配送効率の最適化・データの一元管理
所在地	神奈川県横浜市西区北幸2-10-39
価格・料金プラン	【初期費用】ODIN PREMIUM：150,000円 ODIN 動態管理：なし【月額費用】ODIN PREMIUM：2,091円/1ユーザー ODIN 動態管理：1,091円/1ユーザー

（15）MOVO Berth

MOVO Berthには、以下のようなメリットがあります。

物流現場の生産性向上を実現するバース予約受付システム
複数拠点にまたがる複雑な運用や庫内作業の効率化
専任担当者による導入支援が受けられる

配送管理システムの導入が初めての場合にも不安を軽減できるでしょう。

特徴	・荷待ち・荷役時間の削減・物流現場の効率化・全社的な物流DX推進
所在地	東京都港区三田3-14-10 三田3丁目MTビル9F
価格・料金プラン	月額3万円～

5．輸配送管理システム（TMS）の比較ポイント

ここでは、数ある配送管理システムの中から自社に最適なシステムを選ぶための比較ポイントを紹介します。

（1）クラウド型かオンプレミス型か

輸配送管理システムにはクラウド型とオンプレミス型の2種類があり、自社サーバーが必要かが異なります。

	クラウド型	オンプレミス型
初期費用	比較的低い	高い傾向にある
月額料金	月額料金制が多い	月額料金が発生しない場合が多い
メンテナンス	提供会社が実施	自社でのメンテナンスが必要
アクセス性	インターネット接続があればどこからでも可能	社内ネットワークからアクセス
バックアップと災害対策	提供会社がバックアップも含めて管理	自社でのバックアップ管理が必要